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「……は？」
開けて？
いや、これ……
『いいから、開けて』
…明らかに猫の影なんだけど。え、猫喋ってんの？もしかして魔界の猫？ラーシャが変化したのか…いや、それにしても……
『開けてって言ってる』
こんな低くてねっとりした声、絶対ラーシャじゃねえ…
「だ、誰だおまえ」
『普通の猫』
「普通の猫は喋んねーよ！」
『開けて』
ドン、ともう一度体当たりしてきた猫に、窓を開けてやるとソレはぴょんっと室内に入ってきた。
『あー、夜は冷える』
「お、おま…」
ソイツは黒い体毛だったが、腹あたりが白い毛になっていて、目が妙に人間味がある。
既視感がある声だと思ったがコイツ──…
「ロト？」
『正解』
「…おまえ動けんの？」
『満月の夜だけ』
叶の家にいるぬいぐるみのロト。そっくりそのままだった。
しかしロトはあくまで物。満月の夜だけ動けるってどういうことだ？
『満月のときは月の光で魔力が増幅する。それで動ける。まあそれはいいとして』
「いやいろいろよくないんだけど」
自分の前脚をぺろぺろ舐めたロトは鈍く光る金色の双眸で俺を見上げた。
『…ラーシャちゃん、何処にいると思う？』
「知ってんのか！？」
『…………』
「教えてくれ、頼むっ」
しゃがみこんでロトと目を合わせると、ソイツはニヤリと笑った。
『教えてほしい？』
「ああっ、頼む！」
『…じゃあ叶の家に連れて行って』
「叶？」
『早く』
「…わかった」
ロトは後ろ脚で立って、前脚で器用に窓を開けると俺を振り向いた。
『GO』
「…んだよおまえ」
持ち主と同じ、不思議なキャラに笑いがでる。
『──今のラーシャちゃんはね』
ロトを腕に抱え、翼をだして空に舞い踊ると、ロトは静かに語りだした。
『──ラーシャちゃんは今不安定な状態』
「不安定？」
『そう。血を大量に抜き取られて、魔力まで奪われた。今は猫の姿に変化してる』
「それで、今どこに？」
『待って。…今のラーシャちゃんには、強い魔力は毒となる』
…強い魔力は“毒？”
『血も魔力も抜き取られて抗体が無くなってる。だからおまえみたいなのが近くにいたらすぐに気を失って危ない状況になる』
と言って俺を振り仰いだロト。
おまえ呼ばわりはまあ置いといて、なんでただの猫がこんなこと知ってんだ…？
「おまえ、なんでそんなに詳しいの？」
普通に疑問に思って訊ねると、ロトは意味ありげに笑う。
『──刻渡りの黒猫だから』
「刻渡り……？」
なんだそれ、と聞き返そうと思ったがロトに遮られた。
『着いたよ─』
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houkouonchi13(プロフ) - 新生活頑張って下さい！！更新も無理なさらないでくださいね…！！！！楽しみにしてます！ (2021年4月14日 1時) (
レス) id: 2b5068bd37 (このIDを非表示/違反報告)
konayuki2222222(プロフ) - 続編おめでとうございます！やっぱり最高です！ (2021年3月10日 21時) (レス) id: f927dca413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん | 作成日時：2021年3月9日 9時
