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「ごめんね叶、長くなっちゃって」
「いえいえ、僕もいいの買えたんで」
鴉が夕空の向こうに飛んでいくのを見上げながら帰路に着く。
送っていきますよ、と言って、今私の隣を歩く彼は荷物を持ってくれていた。食材持ってるから僕がこっち持つ、って。
「じゃあせっかくだから晩ごはん食べていく？配信間に合う？」
「いいの？マジで？」
「いいよいいよ、付き合ってくれたお礼」
「じゃあいただきます」
マンションが見えてきた。
エントランスに入って、エレベーターに乗ると急に叶は笑いだす。
「どうしたの？」
「…ふ、っ、ふふっ…な、なんでもない」
堪えきれない笑いに肩を震わせる叶を横目にエレベーターを降りる。
玄関を開けると、音で気づいたのかリビングから葛葉が出てきた。
「あれ、まだ帰ってなかったの」
昨日泊まって、昼過ぎには帰るって言ってたんだけどな。
「帰るより何よりおまえなあ！！なんでかな──」
私の後ろを見た葛葉は絶句。石のように固まってしまった。
「晩ごはん食べていいらしいのでおじゃまします」
悪戯っぽい叶の言葉に葛葉はひとこと、は？、と返した。
1歩も動かない葛葉を置いて先にリビングに入る。
準備しないといけないからね。
よし、オムライス作ろう。
かなえ誰でしょう
くずはふざけんな
○
「どういうことだ、叶」
「どういうこともなにも、予定と目的が合ったから一緒に出かけただけだけど？」
「アイツ叶だって言ってねえ…」
にこにこ笑う目の前の男。
「いやー、かわいいね、やっぱり。食べちゃいたい」
「は？」
靴を脱ぎながらそんなことを言った彼の足を思わず踏んずけた。
「いった！冗談だって！！」
「冗談でもそんなこと言うなバカ！！」
大きい袋を2つ持っているうち1つを仕方なく持ってあげてリビングに入った。凛はキッチンで料理をしている。
「…いいね、おまえは。いろんな表情見れるんだから」
その姿を見てぽつりと呟いた叶は、寂しげな、でも確かな熱を宿した潤んだ瞳をしていた。
……コイツか、叶となら…
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houkouonchi13(プロフ) - 新生活頑張って下さい！！更新も無理なさらないでくださいね…！！！！楽しみにしてます！ (2021年4月14日 1時) (
レス) id: 2b5068bd37 (このIDを非表示/違反報告)
konayuki2222222(プロフ) - 続編おめでとうございます！やっぱり最高です！ (2021年3月10日 21時) (レス) id: f927dca413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん | 作成日時：2021年3月9日 9時
