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「ラーシャｯ!」
俺が名前を叫ぶとピタリと動きを止めたラーシャは再び小さく唸った。怯んだ隙に魔力を込めた右手を彼女の背中に押し当て力を流し込めばくすんだ瑠璃色の瞳が輝きを取り戻す。
元のラーシャに戻ったみたいだ。
「ラーシャ…しっかりしろ」
くたりと力なくもたれかかってきたラーシャを支えて起き上がり、床に落ちている漆黒の紙を拾い上げる。白いインクで文字が書いてあった。
──ЕЖЙЖНЛПСЩЫдфЖ
魔界の文字。暴走の呪いだった。
「……ちっ、」
ぐしゃりとそれを手の中で燃やし尽くして拳を強く握った。誰がこんなもの…
「う…さー、しゃ……」
「ラーシャ」
意識がはっきりしてきたのか、身体を起こしたラーシャは頭を横に振る。俺はそんな彼女の肩に手を置いて、瞳を覗き込んだ。
「ラーシャ、焦らなくていい。変に責任を感じなくていい。俺らは俺らに出来ることをやるだけだ」
今の力でシャロンを、皆を守りきれるかって思ったんだろうな。コイツは昔からそうだった。責任を感じすぎて、結果体調を崩してしまう。
「詳細は俺が話すからおまえは休んどけ」
よっこらしょ、と老人よろしく立ち上がるとラーシャは微かに首を振った。
「休養が足りてねえんだよ、おまえ」
「一人で休まる気がしない」
その弱々しい声に思わず眉間に皺が寄る。こんなに追い詰められていたとは。
「じゃあさっさと終わらせるぞ」
「……サーシャ」
彼女の手を引いて椅子に戻る。その際囁かれた言葉は聞こえてないフリをした。
だって、誰が信じるかよ、あんなの。
──もし死んだら、ごめんね。
「……死なせねえよ、バカ」
今度こそお前を守りきる、って誓ったんだ。
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houkouonchi13(プロフ) - 新生活頑張って下さい！！更新も無理なさらないでくださいね…！！！！楽しみにしてます！ (2021年4月14日 1時) (
レス) id: 2b5068bd37 (このIDを非表示/違反報告)
konayuki2222222(プロフ) - 続編おめでとうございます！やっぱり最高です！ (2021年3月10日 21時) (レス) id: f927dca413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん | 作成日時：2021年3月9日 9時
