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「チキンカツもおいしいですね」
「当たりですねこれは」
事務所の飲食スペースでお昼ごはんを食べていると隣の二人席に誰かが座った。
「もっ……」
「あ、」
ChroNoiRだ。葛葉がこちらを見て目を見開いている。
「こんにちは」
「こんにちは、」
「叶くん先日はどうも」
「いえいえ」
叶くんと軽く言葉を交わして、葛葉に視線をやると彼は刀也くんを凝視していた。
「刀也くんこれどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「刀也くん……！？」
名前呼びをすることが珍しい私が刀也くんと呼んでいることにさらに驚いたのか葛葉はそのまま動かなくなった。
「…向こうで動きがあった？」
「…い、や……」
「……供給？なら今夜行くね」
「あ、うん…」
会話がまともにできない…どうしたんだろう。
「葛葉？体調悪いの？」
「っす、いや、別に…なんでもない…！」
慌てた彼はドスンと椅子に腰を下ろして、テーブルの上にある二つのカップのうち一つを手に取って勢いよくあおり──
「あ、待って葛葉それ僕のブラック──…」
「にっっっが！！うえっ」
──激しく咳き込んだのだった。
〇
血の供給のため、夜に彼の家を訪れた。
いつもより少し早く配信を切り上げた葛葉はリビングに入ってくるなり“サーシャ”の姿になる。ふわりと銀髪が靡いた。
「ラーシャ」
ソファに座るなりぽんぽん、と隣を叩いたサーシャの隣に大人しく腰を下ろすと彼は不満気な顔をぐいと近づけてきた。その距離およそ３０センチ。近い。
「…旦那の前で他の男と二人っきりでランチってどういうこと」
「…ああ……」
どうやら刀也くんとお昼ごはんを一緒に食べていたのがまずかったらしい。二人っきりで。
「刀也くんが私が迷ってたサンドウィッチの片方を買ってくれて一緒に食べましょうって──」
「刀也くん？名前呼びなわけ？」
「…別に私はサーシャと結婚しているのであって葛葉とはしてないんだからいちいちそんななられても困る」
ますます不機嫌になっていくサーシャに本音を言うと、彼は眉をひそめそのまま首筋にかぶりついてきた。
「いっ！…た、サーシャｯ、」
彼の肩を押すもびくともしない。ただ、いつもと比べものにならないほど早く吸血されていることがわかった。このままじゃ貧血になる…っ！
「サーシャ！」
最終手段、拳でサーシャの背中を半ば殴るように叩くとやっと口が離れた。
彼の唇の端からは真っ赤な血が伝い、ルビーのように赤い目は爛々と光っている。その姿は獲物を狙う獣のようだった。
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houkouonchi13(プロフ) - 新生活頑張って下さい！！更新も無理なさらないでくださいね…！！！！楽しみにしてます！ (2021年4月14日 1時) (
レス) id: 2b5068bd37 (このIDを非表示/違反報告)
konayuki2222222(プロフ) - 続編おめでとうございます！やっぱり最高です！ (2021年3月10日 21時) (レス) id: f927dca413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん | 作成日時：2021年3月9日 9時
