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「凛は人間の食べもの食べるんですかー？」
『にゃあ』
朝から元気にリビングを走り回る一匹の白い猫。瑠璃色の瞳に、首には赤いリボンが掛かっていた。
「何食べます？何が食べれるんかな逆に」
猫の姿に変化した彼女はまだ魔力が回復していないのか、喋ることができないらしい。というのも、目が覚めたときに置き手紙があったからわかったことだが。
「たまご焼き食べる？」
『にゃう』
「牛乳飲む？」
『にゃう』
「じゃあ椅子座っといて〜」
『にゃあ』
軽い足取りでぴょんっと椅子に飛び乗った凛は、行儀よく椅子に座り、朝食を待つ。
僕が彼女の前にたまご焼きが乗った皿と浅めのお椀に注いだ牛乳を置くと、その瞳がきらりと光った。
「じゃあ、いただきます」
『にゃあ〜』
僕は彼女の正面に座って、白米を食べる。夢中で牛乳を舐めている凛は機嫌がよろしいのか尻尾をゆらゆら揺らしていた。
「…にしても葛葉、連絡返してくんないなー」
『にゃ？』
「今のあなたには会えないけど、連絡くらい返してもいいじゃないすか。ねえ？ホントに、寝てんのかなぁ…」
『にゃうにゃう』
「…………なんて？」
『にゃう、にゃう』
「……………………」
『にゃああああっ』
「………………ごめん！わからん！」
そりゃ猫語なんてわかるわけがない！僕は人間なんだから！わからん！
「ロトだったらわかるのにな。ぬいぐるみだけど」
ソファに無造作に投げられたロトを見た。投げたの僕だけどさ。
「回復したら人間の姿に戻れるんよね？」
『にゃ、』
たまご焼きを咀嚼しながら頷いた凛は少し尻尾を下げた。…やっぱり、葛葉のこと心配なのかな。
魔界に行っているとしても一日二日で戻ってくると思うんだよな…
今日の朝行ったとしたら、もう三時間経ってる。魔界の一日はこちらでいうと十五分だから、もう十二日経ってるってことになる。
「……大丈夫なんかな、アイツ」
ちょっと心配になる僕だった。
〇
「これが例の吸血鬼か？」
「ええ。ラグーザ家の三男、現当主のアレクサンドル･ラグーザです。魔界では貴族階級にいる吸血鬼ですね」
「へえ」
天井からぶら下がる二つの手錠に手首を繋がれ、壁から伸びる二つの手錠に足を繋がれ、牢に閉じ込められている一匹の吸血鬼。
「ですがコイツ、日光も効かなければ聖水も十字架も銀もニンニクも効かない厄介な個体でして」
「大丈夫なのか？」
「ええ。今は極限まで血を抜いて、傷つけてますから。ほら、傷の修復もできないくらい弱っています──」
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houkouonchi13(プロフ) - 新生活頑張って下さい！！更新も無理なさらないでくださいね…！！！！楽しみにしてます！ (2021年4月14日 1時) (
レス) id: 2b5068bd37 (このIDを非表示/違反報告)
konayuki2222222(プロフ) - 続編おめでとうございます！やっぱり最高です！ (2021年3月10日 21時) (レス) id: f927dca413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん | 作成日時：2021年3月9日 9時
