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「…以後気をつけます」
そう言うと目の前の男は舌打ちを残して帰って行った。
怒られていたスタッフと私をここに連れてきたスタッフがあわあわしているのを視界の端に捉え、静かに言う。
「帰っていいですよ。私が片づけますから」
「い、いやっ」「凜さんっ、」
「帰ってください」
少し強めの口調で言うとスタッフふたりは何度も謝りながら部屋を出ていった。私は無言で立ち尽くす。今日の服は白いから多分透けてるなとか、やばいところ見られちゃったなとか、ひまちゃんの手大丈夫かなとか、いろいろなことが頭をめぐって、結果、ただ視界を滲ませる液体になった。
情けない。隠しきれ。
そう思ってもあの上司にやられたことが悔しくて、惨めで、かくしきれなくて、やるせなくて、いろいろな感情がごちゃごちゃの真っ黒な塊になって胸の中で渦巻いている。
──このまま消えてしまえたら楽なのに。
考えていることがおかしくて、乾いた笑いをひとりこぼしたそのとき。
ふわり、と肩にあたたかい何かが。
1か月前、お世話になったあの匂いが鼻をかすめ、それに包まれる。
「…っ、」
「…凜さん」
「…か、なえ、くん、」
上半身を隠すように掛けてくれたカーディガンのあたたかさに人の体温が加わった。視界が黒く染まり、何も見えなくなる。でもあたたかさだけは感じられた。
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みかん(プロフ) - konayuki2222222さん» ありがとうございます！；； (2021年3月9日 13時) (
レス) id: 644a994c78 (このIDを非表示/違反報告)
konayuki2222222(プロフ) - とてもいいおはなしです！！最高です！(*｀ω´)b (2021年3月8日 23時) (レス) id: f927dca413 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 伊織さん» わあああコメントありがとうございます！！；；完結したら続編書こうと思います。リクエスト募集するつもりなのでよかったらお願いします〜 (2021年3月7日 23時) (レス) id: 644a994c78 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 続編希望です！応援しています！！頑張ってください！！ (2021年3月7日 20時) (レス) id: d1ffabcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん | 作成日時：2021年3月5日 7時
