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○月✕日、午前10時、いちから株式会社───
僕と葛葉は用事があって事務所を訪れたのだが、最近デビューした新人ライバーさんから挨拶をされて、少しお話をしていた。そしたら次々人が集まってきて、今は傍から見れば出待ちファンに集られているアイドルみたいな絵の状態。
葛葉の貼り付けた笑顔が引きつっているのを見て、そろそろ切りあげようと思ったそのとき──
「──叶、葛葉」
冬の夜のようにひんやりとした声が響いた。その声を聞いて皆蜘蛛の子を散らすように離れていく。
その声の主──凜は鋭い視線を僕らに向けると踵を返して歩きだした。着いてこい、ということだろう。
「…行くよ葛葉」
「…ああ、」
僕と葛葉は急いでその背中を追って小走りで駆けだしたのだった。
「──…どこまで知ってるの」
空き部屋に入るなりすぐにそう問いかけてきた凜は椅子を引いて腰掛けた。僕らも彼女の向かいにある椅子に座る。
テーブルに肘をついた葛葉が「はっ」と笑った。
「そっちこそ何隠してんの？」
半分笑いながらの葛葉だけど、声は本気だ。僕も彼女を見つめると、はあと特大のためいきが部屋の中に響いた。
「…ディスコ切れてなかったんだ」
「バグだと思う」
「こっちでいろいろ調べさせてもらったよ」
「…どうやって」
バグ、と答えた僕と早速切り込んでいく葛葉。ちょっと気が早すぎやしないかと思ったけどここは任せるか、と相棒の次の言葉を待つ。
「伊達にゲーマーズしてたわけじゃないんでね。怪しい点はいくつもあった。昔からちょいちょい探ってたけど、今回のディスコで確信した。裏に何かあるってな」
「……そう」
葛葉の語りに頷いた凜は持っていた鞄からタブレットとタッチペンを取りだした。そして何やら操作した後、僕らに向かって画面を見せてくる。それを覗き込むと、真ん中に【2434system】と書かれてあった。
「これから話すことはまだ誰にも話しちゃいけない。いい？」
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みかん(プロフ) - konayuki2222222さん» ありがとうございます！；； (2021年3月9日 13時) (
レス) id: 644a994c78 (このIDを非表示/違反報告)
konayuki2222222(プロフ) - とてもいいおはなしです！！最高です！(*｀ω´)b (2021年3月8日 23時) (レス) id: f927dca413 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 伊織さん» わあああコメントありがとうございます！！；；完結したら続編書こうと思います。リクエスト募集するつもりなのでよかったらお願いします〜 (2021年3月7日 23時) (レス) id: 644a994c78 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 続編希望です！応援しています！！頑張ってください！！ (2021年3月7日 20時) (レス) id: d1ffabcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん | 作成日時：2021年3月5日 7時
