彼女と心配性な彼と優しい彼と僕�� ページ6
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「だから！休めって言ってんの！」
大きな声がリハ室に響き渡った。音楽も止まり、ここにいる全員の足が止まる。視線は、ある２人に集中している。
「離してよ」
「離さない。お前、絶対休まないだろ」
「大丈夫だもん！」
「明らかに大丈夫じゃねえだろ！」
「瑞稀、ちょっと落ち着いて」
怒りを抑えられない瑞稀くんの腕を、はしもっちゃんが掴む。瑞稀くんの手から、Aちゃんの腕を離させようとしているけれど、瑞稀くんの手は、びくともしないようで、困ったように眉を下げた。
こういうときに限って、優斗がドラマ撮影で不在だ。
この２人は、たまにこういう揉め合いがある。そのときは大体いつも、はしもっちゃんがAちゃんを宥めて、瑞稀くんを優斗が宥めるのがいつもの流れで。
いつもはこんなにヒートアップすることはない。この感じだと優斗が居たとしても、もしかしたら無理かもしれない。もちろん、年上組の揉め合いには、年下組は口出しができない。
揉め合いというよりも、基本的に瑞稀くんのAちゃんへの心配が故に起きることであって。
瑞稀くんは、素直に休んでほしいと言えないのだ。Aちゃんが、いくら体力のある女の子でも、やっぱり男女差はあるもので。
Aちゃんは俺らになにも言わないけれど、優斗に負けないくらい映画や雑誌撮影でスケジュールは毎日のように埋まっている。そんな中、参加しているリハであって。彼女に時間がないのは確かだった。
本番まで時間がない。それは事実。
瑞稀くんの気持ちも、Aちゃんの気持ちも。
どちらの気持ちもわかるが故、どちらの味方もすることはできなかった。
「疲れが出てんだよ、ダンスに」
「休むから。これやったら」
「今、休めって。全然踊れてないのわかんないの？」
「まだ覚えてないだけだもん！できるし！」
「できてねえの！」
「頑張るもん！大丈夫だもん！邪魔しないもん！」
「だから！足手まといだって言っ…、」
「っ、うるさい！瑞稀のバカ！」
「あ、A！」
はしもっちゃんが２人を落ち着かせようとしても一向に止まらない言葉の掛け合い。僕らは、その様子をただ見つめることしかできなくて。
そんな中、瑞稀くんが言ってしまった、と表情を歪めた瞬間、Aちゃんは、瑞稀くんの手を思い切り振り払い、そのまま、リハ室を走って飛び出して行く様子を、呆然と立ち尽くして見るしかなかった。
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まみみ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます！幼馴染みの橋本くんが報われるといいなぁ (2022年4月6日 14時) (
レス) @page27 id: c26bea1767 (このIDを非表示/違反報告)
miso.(プロフ) - 作ちゃん落ちがいいなー (2022年3月31日 1時) (レス) @page11 id: 9507af58bb (このIDを非表示/違反報告)
ききめろ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！夢主と橋本くんが良い関係になるといいなぁ♪ (2022年3月10日 0時) (レス) @page4 id: c309b3e706 (このIDを非表示/違反報告)
かいとん - 素敵な作品ですね！ストHiHiも好きなので嬉しいです！！( ´ー`)これからも頑張ってください！ (2022年3月9日 6時) (レス) @page3 id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi ayu | 作成日時：2022年3月8日 18時
