彼女と心配性な彼と優しい彼と俺�� ページ13
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「瑞稀、」
Aが出て行ったドアを見つめてため息をつく瑞稀に声をかける。瑞稀は俺の目を見ずに俯いたまま返事をした。
「わかってる」
「今のはないよ」
「……わかってるって、」
「わかってない。Aにとって一番嫌な言葉だってわかってるの？」
「………それは、」
「Aのこと、足でまといだと思ってんの？」
「……思ってない」
「じゃあ、二度と冗談でも言わないで。マジで俺、瑞稀のこと許さないよ」
顔を上げた瑞稀の目を見て、そう告げた。瑞稀の瞳が微かに揺れている。
心配から出た言葉でも、Aを傷付けることは許せなかった。
どれだけ彼女を想っていた人だとしても、
彼女を大切に想っている瑞稀であっても。
Aを傷付けることは、許さない。
Aが、入所当初から気にしていること、
それは、男性と女性の体力差、筋力差、体格差だ。
こればかりは生まれ持ったものがあるから、努力ではどうにもならない。
努力家な彼女は、それ以外のほとんどを努力で乗り越えてきた。
でも、努力ではどうにもならないことを否定するような、そんな言葉を冗談でも彼女に投げてほしくない。
それに、瑞稀はきっとわかっているはずだ。
彼女の努力を。
ずっと、俺らは、隣で見てきたじゃないか。
でもそれ以上に、瑞稀は、Aのことが心配で堪らないんだよね。
わかってるよ、ちゃんと。
瑞稀が、どれだけAを想ってるかなんて。
よーく、わかってる。
「…ごめん、」
「とりあえず、Aの様子見てくるから。瑞稀は頭冷やしてね」
「ん、」
「さくちゃんとガリさんもごめんね、とりあえず休憩で」
「おー、」
「わかった」
とにかく、今は、Aの側に居てあげたかった。
きっと彼女は１人で泣いている。
瑞稀に頭を冷やしてもらうためにも、一旦ここは休憩した方が良いし、Aは今日は休んだ方が良い。
話せばきっと２人ともわかってくれる。
心配そうにこちらを見るガリさんとさくちゃん。ガリさんはきっと瑞稀をフォローしてくれるだろうし、さくちゃんはきっと優斗に連絡をしてくれるだろう。俺は、それを信じてリハ室を出た。
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「A、」
リハ室から離れたところにある休憩室の片隅。
視覚になっているその場所は、小さい頃から彼女はこの場所でよく１人で泣いていた。
そして、そのことはきっと、俺しか知らない。
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まみみ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます！幼馴染みの橋本くんが報われるといいなぁ (2022年4月6日 14時) (
レス) @page27 id: c26bea1767 (このIDを非表示/違反報告)
miso.(プロフ) - 作ちゃん落ちがいいなー (2022年3月31日 1時) (レス) @page11 id: 9507af58bb (このIDを非表示/違反報告)
ききめろ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！夢主と橋本くんが良い関係になるといいなぁ♪ (2022年3月10日 0時) (レス) @page4 id: c309b3e706 (このIDを非表示/違反報告)
かいとん - 素敵な作品ですね！ストHiHiも好きなので嬉しいです！！( ´ー`)これからも頑張ってください！ (2022年3月9日 6時) (レス) @page3 id: fb912074b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi ayu | 作成日時：2022年3月8日 18時
