夏のはじまりは、嵐のはじまり�� ページ9
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涼「過去にやった曲とかソロを長くしたりすれば、お客さん的にもエモくなるし、俺らの負担も少しは減ると思うんだよね」
作「たしかに、」
涼「一からは難しいけど、後半で俺らの集大成を見せられるわけだし。前半は今までの俺ら、みたいな感じで」
猪「ああ、なるほどね」
瑞「うん、良いかもしんない」
作「それなら俺もフリ写しできるかも、」
涼「Aは今までのフリ全部覚えてるから大丈夫」
さらっと作間に「俺はAのことなんでも知ってます」マウントも混ぜつつ(笑)はしもっちゃんが、少しこの状況に意欲的になってきた。
はしもっちゃんの提案に、なんだか面白くなりそうな予感がした。「エモいじゃん！」「俺らこれ乗り切ったらまじ最強じゃね？！」なんてちょっと楽しくなっちゃったりして。深夜にも関わらず、さっきまで眠そうだった作間もニコニコしている。
こんな状況だからこそ、俺らは強くなれると思ってる。だから、この状況を乗り切ったら俺らは一つ上のステージに上がれる。そう思って盛り上がっていたのは、男だけだった。
猪「あ、でも」
この盛り上がりを遮ったのは、さっきまで一番盛り上がっていたガリさんだった。ガリさんの次の言葉を待つように俺たちの視線はガリさんに集まる。
瑞「どうした？」
猪「Aさんは、なんて言うかな」
涼「あー…」
猪「俺は、Aさんが反対すると思うんだよね」
涼「でもあのセトリは6人でやらなきゃ意味ないと思う」
猪「それはそうなんだけど。Aさんって、来た人に差をつけたくないから日替わりも結構嫌がるじゃん？」
作「そうだね」
猪「セトリ全部変える、っていうことにじゃなくて、か 後半にしか来れない人のことを考えて、反対すると思う」
涼「でも、どうすんの？優斗いないんじゃ同じじゃない？」
猪「最初から最後までそのセトリでいくのは？」
涼「じゃあ、この数ヶ月なんだったの？それこそ、優斗が責任感じちゃうよ」
猪「そうだけど、Aさんの考えは俺、大事にしたい」
涼「それはわかるよ。でもさ、今回は違うじゃん」
あ、やばい。
はしもっちゃんとガリさんが揉め始めてきた。演出担当のガリさんと、司令塔のはしもっちゃん。その２人をどうにもできずにいる、作間と俺。
どっちの意見もわかるから、何も言えない。
作間を見ると、同じことを思ってるのか俺を見て困ったように眉を下げた。
やっぱりアイツがいないと、始まらない。
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ち - mi ayuさんの作品を見つけて書き方や言葉の選び方が大好きでここまで一気読みしてしまいました！陰ながら応援しています！ (8月3日 18時) (
レス) id: 1ef96fbd13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi ayu | 作成日時：2023年3月5日 20時
