俺は俺のやり方で�� ページ30
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例えば、
俺やはしもっちゃん、ガリさんや作間、優斗がステージでバトンを落としたとしよう。
もちろん、完璧なステージを見せたい。
という気持ちがあるよは、大前提として。
だけど、俺らだって人間だ。
失敗することだってある。
だけど、落としたことに対して、ひどく責められることはない。自分自身で、反省はもちろんするけれど。
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だけど、彼女は違う。
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正直、ジャニーズという世界は女性のファンが圧倒的に多い。某雑誌で「恋人にしたいランキング」や「リアコ枠ランキング」などが年一で行われたりと、恋の対象にされることだってある。
もちろんアイドルして嬉しいことであり、
誇らしいことでもある。
そして彼女は、そのリアコ枠のアイドルの側にいる恋敵である。
彼女に、その気が全くなかったとしても。
でもそんな、ライバル視されている彼女が、
バトンを落としたら。
ローラーで転べば。
バク転を失敗したら。
もちろん、俺らに対して優しい声を掛けてくれるファンの子と同様の子も沢山いる。
もちろん、そっちの方が多いけれど。
だけど、一部のファンはそうはいかない。
ひたすらに彼女が、叩かれるのだ。
それを彼女はよくわかっている。痛いほどに。
だからこそ、彼女は見えないところで人の何倍、何十倍も努力しているのを知っている。
頑張っている彼女に、
これ以上、頑張れなんて言えない。
だから、
「そろそろ、俺とはしもっちゃん以外にも、弱音吐いたら？」
「……」
「俺ら、もう、そんな薄っぺらい関係じゃないでしょ？」
「……」
「待ってると思うよ、アイツら」
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お前が、努力してるのはちゃんとわかってるよ。
その細い身体をボロボロにして、
綺麗な髪の毛をボサボサにして、
長い足を傷だらけにして。
色々なモノを犠牲にして。
お前が、こんなに頑張ってること、
痛いほど、わかってるよ。
「強がるだけが、強さじゃないってわかってるでしょ」
プライドの高いお前が、
年下相手にそれができるかはわからないけれど。
でもきっと、みんな待ってる。
彼女が、自分を頼ってくれるのを。
俺も、
はしもっちゃんも、
ガリさんも、
優斗も、
作間も。
いつだって、お前の手を掴む準備はできてるよ。
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だからさ、
頼むから、
こんなんなるまで自分を追い込むなよ。
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作者名：mi ayu | 作成日時：2022年8月20日 18時
