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奇病/IF ページ6

外の廊下の光が眩しい。
「ッ…!!!」
見られた。
見られてしまった。
それでも必死に隠そうとフードを引っ張る。
見ないで
気づかないで。
そう願うのにジル君の瞳は僕の顔を見て
逸らして何てしてくれなかった。


「おま…それ…」
言葉が出ない。



久々に見たルーシャスの顔は
右半分が以前抜いた花に侵食されていた。
首元からも生えているのが見えた。
「ル…。」
「こないでよ…。」
近寄ろうとするも、その姿を気にしてか
ルーシャスは退いた。
「やめてよ…」
手で顔を隠しながら、暗い部屋へと
どんどん後退りしていった。
お構いなく部屋に入る。
ベッドにルーシャスの足がトンッと当たる。
「来ないで…」
そのままルーシャスの目の前に行く。
「それ、どうしたんだ。」
ルーシャスの顔を覆い隠す邪魔な手を退ける。
「ぅッ…僕も分からないよ…でも、
見ないで…お願い…。」
フルフルと小さく震えていた。
「ルー。」
包み込む様にそっと抱きしめる。
「ジ、ル君?」
「俺に話せないか?」
ルーシャスはその言葉に顔を上げ、
俺の背中に手を回してきた。
「迷惑に、なる、から」
「迷惑ならとっくに掛けられてる。」
ポロポロと溢れる涙、
それが花にかかりまるで朝露の様だった。

取り敢えず部屋のドアを閉め、電気をつけた。
「ルーシャス、脱げ」
それだけ伝えると顔を一瞬赤らめたが
「診るだけだ」と言うと少し残念そうだった。
パーカーと下のシャツを脱いだルーシャスの
身体をみて驚く。
首どころか、右半身が少しずつだが
花に侵食されていた。
「これ…全部生えてるのか?」
聞きながらそっ、と触れるとルーシャスは
「く、擽ったいよ…」と
困った表情を浮かべていた。
何より気になったのが…
「お前…右目、それ見えてるのか?」
右目の瞼全体が花で覆われていた。
「ううん。見えないと言うか…
開けられないかな。」
開けようとするも微かに動くだけで
花が邪魔で開けられない様だった。
「お医者さんには行ったんだけどね…。
奇病だから治療法も無くて毎回
大量の出血と痛みを伴っても良いなら
抜けるけど…って。」
以前のあの一輪を思い出す。
あれだけでも相当な痛みだ。
それに今となっては首以外にも生えている。
もう抜くのは手遅れなのだろう。
「それ以外弊害はないのか?」
手を顎に当てルーシャスは
「ん?無いよ?」
とふんわり笑った。

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作者名: | 作成日時:2020年12月2日 19時

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