【かくりよの宿飯】妹みたいで超絶自由なあやかしはあの雷獣の部下？！

幕間 留守番中の麒麟 ページ36

琥珀side


解せぬ！！！


私はただその一言でこの苛立ちを表す。


我らが主人、『A』様はとても高貴で気高く他のあやかしとは比べものにならぬほど立派なあやかし……


それなのに！あの方の自由っぷりと来たら……私が何度止めようと一度だって聞いたことがない！



暁「あの……琥珀様……」



ロビーに立ってA様のお帰りを待っていると番頭の土蜘蛛が声をかけてくる。


機嫌がすこぶる悪い私は睨みつけながら「何だ」と返す。



暁「……怒気が…滲み出ておりまして…その…周りが騒然としております……」



彼にそう言われてようやく気がついた。


私の周りにいる客や仲居、従業員達は皆私の事を見ていた。しかも顔が青ざめている。




琥珀「……失敬」


暁「いえ、お気になさらず…俺としても同じ心境かはわかりませんが…何となくわかります」


琥珀「史郎の孫か？」


暁「そうですね」



確かに奴のことに関してはこのあやかしに同情せざるを得ない…私も過去に現世では200万ほどの価値のあるものを一瞬で粉々にされた…。


今でも思い出すとはらわたが煮えくり返る…！



こうして私はイライラしながら主人のお帰りを待つのである。

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