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「Aちゃん行こうか。母ちゃんが米俵担いで待ってる」
居眠りをしていたおじ様が起きて、外を指差す。
茶屋のお爺さんにお土産をもらって外へ出ると、米俵を担ぐ勇ましい主婦の姿が見えた。
大変屈強なおば様だな...
「おやっ、学園長先生！？」
半分ほどしか開いてなかったおじ様の目が、あの気迫のあるお爺さんを見た瞬間、カッと開かれた。
「これはこれは、乱太郎のお父上。そちらの売り子のお嬢さんはお連れさんですかな？」
「は、はい...近所の娘さんで、買い物に付き合ってもらっていまして...」
妙によそよそしいというか、何か焦っている。
こちらをチラチラと見て、おば様を見ているということは、先に行けということだろうか。
学園長...件の学園の責任者なのかもしれない。完璧に近づかないほうがいいに決まっている...！
『私先に行ってますね。おば様、野菜も持ってるので』
お爺さんにはペコッと一礼して、おば様の方に走る。
しかし、あまり前を見ていなかったせいで、進行方向にいた人にぶつかってしまった。
『っ！ごめんなさい！』
「ああ、こちらこそすみません。三郎も謝れ」
「失礼しました、お気をつけて」
サブロウと呼ばれる人は、落としてしまったお土産を拾って私の掌に置く。
中高生くらいの若い二人。この人達からも嫌な気配がする。作り笑顔を見せるということは、女性に対して少し警戒心が強いのかもしれない。
天女とか忍術学園とかが頭の中を交錯する。情報が足りない、まだ確証が持てないが、どうか考え過ぎであってほしい。
「Aちゃん！大丈夫？その...ぶつかっちゃって」
『はい。大丈夫です』
野菜や米俵を地面において、私の両肩をさすってくるおば様。
もう、そんなんじゃバレてしまうでしょ...忍者ならもっとうまく隠してよ。
「いや〜参った。まさか学園長先生がいらっしゃるとは...肝が冷えたよ」
「ほんと、父ちゃんったら汗ぐっしょりじゃない！」
おじ様の額にはポツポツと汗が滲んでおり、着物の脇の部分の色が濃くなっていた。それほど緊迫していたのか...申し訳ない。
『なんかすいません...偶然とはいえ、お偉い方のお相手をさせてしまって』
「いいのいいの！若い子は気にしない！さ、うちに帰りましょ」
おば様は笑って空気を温めようとする。多分、私が何かに勘付いていることは分かっているんだろう。
侮れない...
『野菜持ちます』
「あら、ありがと」
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くまのん - 神作品を発見‼とっても面白かったです‼ (5月3日 16時) (
レス) id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん(プロフ) - わくわくどきどき…続きが気になりすぎてどうしよう！！現世での伊作もどきとの関係も気になる！ (4月25日 20時) (レス) @page24 id: 3a092db897 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - うわあ！待ってました！！ついに接触！？面白すぎます！！ (4月15日 13時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - とても続きが気になって内容忘れないよう何度も読むくらい好きな作品です。 (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - 私だけでこちらの不具合だったらごめんなさい。更新や日付けは新しくなるのに20から先が表示されないのは 作者様がまだ非公開にされてるからでしょうか？質問失礼しました (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュモ | 作成日時：2024年2月29日 17時
