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「Aちゃん、着物を買いにいきましょ」
ある日、おば様に急に誘われ、町にくりだした。
おじ様も荷物持ちとしてついてきたが、夜勤明けで眠そうだ。
『おじ様、別についてこなくても良かったんですよ？眠いでしょう？』
「そうだけど...女性二人で行かせるのは心配だから。ふあぁ...」
さらっと良いことを言ったのに、最後のあくびで台無しだ。
おじ様はおば様に「髭ボーボーよ」と横から小突かれる。このご夫婦は仲がいい。
◇◇
「あら、赤も似合うわねぇ。あと紅と白粉も買いましょ」
『は、はぁ...』
おば様に赤や黄色や青などの着物を着せられ、着せ替えられていく。
お金は心配ないから、お出かけ用と普段使いの着物を数着買った。
流石に年中袴は駄目だと言われてしまった。それにしたって着せ替え人形は疲れる...少し休みたい。
「あ！お米安い！ちょっと値切ってくるわ。休み処でお茶でも飲んでて！」
さすが主婦。安いものには目ざとい。
風呂敷を両手に持つおじ様と目があい、休もうと言われて茶屋にはいった。この休憩は嬉しい。
『...落ち着く...』
一服が体をポカポカと温める。煎茶は渋くなくて飲みやすい。思わず頬が緩む。
「おぉ...幸せそうに飲んでくれて嬉しいわい。少し売り子でもせんか？外でわしの淹れた茶を飲むだけでええ」
『？お茶をいただくだけでいいんですか？』
それは売り子と呼べるのか？もっとバナナの叩き売りとか、しゃっせーが口癖になるような人を指すんだと思ってた。
別に飲むだけだし、ただなら遠慮なく。
『いただきます』
◇◇
「おやおや、美味しそうね。お茶菓子をあげようねぇ」
「私もお茶をいただけるかしら」
「こん娘っ子はどこん子じゃ？別嬪さん捕まえよって」
「めんこいのぅ。うちの孫もこんぐらいになったわい」
おじいちゃんおばあちゃんにモテモテになった。お茶も売れて、売り子を頼んだお爺さんはホクホク顔だった。
私はただでお茶が飲めて、ついでにおやつも貰ったから損は一つもしなかった。ちょっと飲みすぎて厠に行きたい。
「お嬢さんや、わしにも茶をくれんか？」
お花を摘みに行こうと席を立ったとき、また新しいお爺さんが来た。
特に何の変哲もないお爺さんだが、なんだろう...気迫が違う気がする。
『すいません、私は淹れられないので、店主と変わります』
身の危険を感じ、茶屋のお爺さんを呼んで対応してもらうことにした。
怖い爺さんだ。
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くまのん - 神作品を発見‼とっても面白かったです‼ (5月3日 16時) (
レス) id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん(プロフ) - わくわくどきどき…続きが気になりすぎてどうしよう！！現世での伊作もどきとの関係も気になる！ (4月25日 20時) (レス) @page24 id: 3a092db897 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - うわあ！待ってました！！ついに接触！？面白すぎます！！ (4月15日 13時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - とても続きが気になって内容忘れないよう何度も読むくらい好きな作品です。 (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)
おんぷ - 私だけでこちらの不具合だったらごめんなさい。更新や日付けは新しくなるのに20から先が表示されないのは 作者様がまだ非公開にされてるからでしょうか？質問失礼しました (3月31日 1時) (レス) id: 4cbcaaccff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュモ | 作成日時：2024年2月29日 17時
