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You × Type B
地下の倉庫の廊下は
古い資料の保管環境のせいで
薄暗くって、少し涼しく感じるくらい
鍵を差し込んでから
回す前に
確認みたいに1度横を見る
「なに？」
廊下の壁に腕を組んで寄りかかってるセフン
早く開けろって鍵と私を交互に見た
「なにって……」
こっちのセリフなんだけど……
くだけたダニエルとは違って
2人きりになると
セフンは急に素っ気なくなる
気を取り直して鍵を開ければ
埃っぽい臭いと
廊下から射し込む薄暗い電気の明かりが
部屋に舞う埃を浮き上がらせた
「うわっ……」
伸ばしたセーターの袖を口元に当てれば
「それ、口紅つかない？」
さらっと中に入ったセフンが
パチンと電気のスイッチを上げた
ぱちぱちと何度か点滅してついた明かりは
やっぱり薄暗い
「別に、口紅くらい……」
「お気に入りのセーターなのに？」
あ、この前のスルギとの話
聞いてたんだ
そう思えば
「それ、俺もやる」
セフンが伸ばした手が
私の胸元のボードを取り上げた
「いいよ、私の仕事だし……」
セフンの後を追おうと中に一歩踏み出せば
ばさりとスーツのジャケットが投げ渡された
ふんわりと香る甘めな香水に
どきっとしながら
投げられたジャケットを綺麗に畳み持った
「いいから」
がたがたと奥に進んで棚を見上げるセフン
「……俺にもさ、責任あるだろ？
あの子が報告するって言ったの聞いてた訳だし……
……それなのに、“A”だけのせいにしたから……」
2人の時に決まって呼ばれる名前は呼び捨
いつもは“Aさん”なのに……
同い年だし
仲が悪い訳じゃないからいいんだけど……
ちょっとどきっとするんだよ？
呼び捨ても
その優しさも
素っ気ない態度も
甘い匂いも
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作者名：LINK | 作成日時：2017年12月23日 21時
