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セフン side
「Aーいるぅー？」
廊下から聞こえたスルギの声に
一瞬で緩んだAの顔
「スルギもこっちに回ってー」
そうAがちょっと大きく声を出した
「Aさん……」
ちょっと呆れながらも
掴んだ腕を少し引いて
「ドアは開けっぱなしにしとけって」
他には聞こえないくらいの小声で言った
こんな誰も来たがらないとこで
いくら仕事だからって1人で作業してるのに
何度忠告しても
閉まってるドア
心配ぐらいで済むなら
いくらでも心配してやる
でも
Aが思ってる以上に
きっと俺が思ってる以上に
Aに近づきたいって思ってる奴はいるんだ
Aの笑顔は営業課の奴らに人気がある
昔の俺がそうだったように
その笑顔に惚れてる奴だっている
それに、今までと違って
同じ部署に男だっているんだ
心配じゃ済まなくなる
そんな最悪な展開にならないように
少しは危機感を持てよ
「うん……そうするっ」
小さく頷いたAを背に
ドアを開け放してから廊下に出れば
「あれ、セフン？なにしてんの？」
廊下ですれ違うスルギに
「ちゃんと見といてくださいね」
すれ違い様にそう呟けば
「はいはい、わかってますって」
スルギが小さく"ごめん"ってジェスチャーして
小走りに倉庫に入って行った
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作者名：LINK | 作成日時：2017年12月23日 21時
