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セフン side
がたんっ
小さくエレベーターが着いた音と
こつこつと
小走りする靴音が廊下に響けば
「Aさん」
そうがちゃりと開いたドアに人影が見えた
同じ部署の奴か？
かたっと脚立が小さく揺れて
その振動が手を伝う
見上げたAの顔は、ほんの少しだけ
強張ったように見えて
あぁ、まだ入ったばっかの男がいるって話してた奴か
少なからず人見知りするA
今回は珍しく女性ばっかの部署に男が入って
少し気を揉んでるって嘆いてたっけ
そうじっと逆光の人影を睨むように見た
「こっちに回るように言われました」
きっとにっこり笑ったんだろう、その顔
「あ……じゃあ……向こうの棚から初めてくれる？」
「はい、わかりました！」
がたがたと脚立を降りようとするAの腕を
支えるように掴んだ
「ちょっと、不安定だったね」
そう無理に笑ったA
不安そうな顔が
見上げてた位置から
見下ろす位置にくれば
ぐっと掴んだ腕に、無意識に力が入る
「セフン……？」
そんな怯えた、弱そうな顔
俺以外の男に見せんなよ
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作者名：LINK | 作成日時：2017年12月23日 21時
