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タクシーがダニエルのマンションの前で
静かに止まった
「ダニエル、着いたよ」
そう肩を揺すると
「んー……」
うっすらと目を開けたけど
またすぐに眠そうに目を閉じたダニエル
かちかちと聞こえるウィンカーの音に
タクシーの運転手さんに
少し気が引けながらも
「ほらっ、しっかりして」
そう無理に体を引き起こせば
「んー……気持ち悪っ……」
「えっ！！ちょっと待ってっ！」
その言葉に財布からお金を取り出して
「お釣りはいりません！！」
慌ててダニエルを引きずり下ろした
タクシーでもしもの事があったら
どれだけ迷惑がかかるか
「大丈夫？吐く？」
「たぶん……だいじょぶ……」
ふらふらなダニエルの腕を支えながら
なんとかマンションのエレベーターに乗り込んだ
エレベーターが階について
「ダニエル、鍵は？」
「ん、あー、うん……」
がさごそとポケットを漁って鍵が手渡された
がちゃりとドアを開けると
ダニエルがふらりと中に入った
「ちゃんと送り届けたからねっ」
そうドアを閉めようとすれば
玄関から伸びた腕が
引っ張るように私の腕を引いた
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作者名：LINK | 作成日時：2017年12月23日 21時
