・ ページ15
うちの忘年会……何時からだっけ？
がやがやとした居酒屋の座敷の一番端の
一番奥で
さらっと腕時計を確認
時計はまだ7時過ぎ
乾杯くらいしてるかな……？
ご贔屓にしてくださっている
会社の忘年会に顔を出してる
今日はうちの会社も忘年会なんでご遠慮します
なんて営業してる会社が
そんな事言えないよね
例年はうちの部長やら課長やらが
顔を出してるみたいだけど
今年は
"他回らなきゃいけないからよろしく！"
なんて言って
一番質の悪い会社を押し付けられた気がする
"適当に顔出して、こっちに戻って来ればいいから
助け船は出す！"
なんて部長は笑ってたけどー
適当に戻るなんて
それが出来るのは役職クラスだけだろっ
「ね、Aちゃん、こっちで働かない？」
「いくらくらいお給料もらってー」
「Aちゃんみたいな美人さんいないからさー」
引き抜きなのか、偵察なのか、なんなのか……
しつこいくらいにかまってくる
適当に返事をして
でも
にこにこと笑顔を絶やさずに
タイミングを見ながらビールを口に運ぶ
これ飲み終わったら帰るって言おう
それまでに、面白くない女って思わせれば
引き止められる事もないよね
いつもの癖でスマホが気になれば
失礼に当たるからって
座敷に正座する膝横に置いたバックの奥底に
しまい込んだんだって思い出す
そのバックに付けた犬のピンバッジが見えて
ダニエル、大丈夫だったかな……
あの薬よく効くけど
昨日も様子がおかしかったし
無理に誘ったのがまずかったかな……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：LINK | 作成日時：2017年12月23日 21時
