第三十三声 ページ3
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その放課後、みんなはそれぞれの競技の練習をしていた
もちろん私は参加せずに、グラウンドの土手に腰を掛けみんなのかっこいい姿を見ていた
いざという時の為にポケットに絆創膏を忍ばせて
夏の雰囲気を含んだ風は頬を優しく撫でる
「(凛はなんでもできるな)」
凛はテニスの練習をしていた
遠くて微妙に見えないが、相手よりもじょうずなことが分かる
凛は勉強もできるし、運動も得意
文武両道の鏡みたいな子だ、どうしてそんな子が私の傍に居てくれるのかが分からない
「すだぁー」
突然耳に落ちてきた声に、肩が跳ねた
「びっくりした、菅原くん」
後ろには部活ジャージ姿の菅原くんが、バレーボールを抱えて立っていた
「暇そうだね」
「うん、暇なんだ」
すると、菅原くんはﾎﾟﾝとバレーボールを私に投げ渡した
「少しだけ付き合ってよ」
「部活なんじゃ…」
「みんな体育祭の練習してて、集まり悪いから開始が遅れてる」
「そっか」
視線を落とすとボールが目に入った
久しぶりに触れたボールは、なんだか重く感じた
「じゃあ、少しだけ」
「よっしゃ、やるべ」
ふわりとオーバーで返すと、菅原くんは笑顔で上手いなって言った
「全然、久しぶり過ぎてできない」
部活をやっていたとき、どうやって思ったところに飛ばしていたか分からない位にボールが飛ばない
「菅原くんこそ、すごく上手」
「ははっ、俺もまだまだだよ。今年入った一年な凄く上手いんだ。俺よりずっと…」
声はよく聞こえなかったけれど、なんとなく尻すぼみになったような感じがした
なにより、表情が曇った
あぁ、私も分かる
高く菅原くんが上げたボールは、トンっと地面に転がった
「須田？」
「菅原くん、悔しいよね」
「えっ？」
キョトンと菅原くんは首をかしげた
「私も分かるよ、下に凄く才能がある子がいると怖いよね。怖いけど、安心するよね」
菅原くんはなにも言わない
「自分がプレーするよりも緊張しなくてすむし、負けたって自分のせいじゃないって思える」
自分がやらないってことは、負けを誰かに擦り付けられる
言い方は悪いけど
「でも…、悔しいよね。コートの外にいると、何でそこに居るのが自分じゃないのって思う、あんなに頑張ったのにって」
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結良(プロフ) - ゆきうさぎさん» ありがとうございます(*´∀｀*) もっとキュンキュンして頂けるように頑張りますね！ 更新も頑張ります!! (2015年8月2日 20時) (
レス) id: dad35a5dcd (このIDを非表示/違反報告)
ゆきうさぎ(プロフ) - キュンキュン止まらないです！ 更新頑張ってください！ 楽しみにしてます♪ (2015年8月2日 9時) (レス) id: c14c542e0c (このIDを非表示/違反報告)
結良(プロフ) - な、な、かさん» コメントありがとうございます！ これからも皆様にキュンをお届けできるように頑張りますね(*'ω'*) (2015年7月7日 6時) (レス) id: 51a5ced6d2 (このIDを非表示/違反報告)
な、な、か(プロフ) - とてもキュンキュンしながら読ませていただいたいます！更新頑張ってください！！ (2015年7月6日 6時) (レス) id: c94037b149 (このIDを非表示/違反報告)
結良(プロフ) - いつもコメントありがとうございます(*´ω｀*) ２章でも楽しんでくださると幸いです！ (2015年6月29日 6時) (レス) id: dad35a5dcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴 | 作成日時：2015年6月28日 19時
