今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:1,074 hit
小｜中｜大
6 ページ7
赤葦side
「京治。」
そう一言呼ばれ襖を開けると、先ほどの着物を身にまとったA。
「どうかな？」
随分顔色が良く見える、色。
普段真っ白、寧ろ青白いAの肌をその色は明るく見せていた。
「良いですね。」
「ふふっ、ありがとう。」
美しい刺繍も、Aのことを飾り立てる。
「…今日は天気が良いですね。」
「えぇ？」
唐突な俺の言葉に、Aは首を傾げる。
窓の外を見ると、Aの好きな色。
青い空が広がる。
「散歩がてら、皆さんに見せびらかして来ましょうか。」
意味が理解できたAは、ぱぁっと効果音が付くように表情を綻ばせて何度も頷いた。
「京治も一緒？」
「貴女を一人で行かせるわけにいか無いでしょう。」
するとAは小さく笑い、ご褒美だ、なんて呟いて軽い足取りで玄関に向かっていった。
本当に可愛らしい。
散歩に行こうなんて言ったのも、下心あってのことだ。
少しでも隣にいたくて、少しでも話していたくて。
「京治ー？」
大きな声で呼ばれた。
「今行きますよ。」
後どれくらい、Aの隣で笑って居られるだろう。
後どれくらい、あの笑顔を隣で見ていられるだろう。
後どれくらい、Aに触れるのを我慢できるだろう。
ふつふつと沸く、自分の欲は着実に積もっていった。
ーー
宜しければ評価お願いします！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：晴 | 作成日時：2016年1月16日 22時
