私1pick理論！！【日プ】 (ページ5)

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顔を上げると汗で前髪が濡れた

大平祥生さんがいた。

ｰｰｰｰ祥生side

ふぅ、、。

今日は色んなこと事があった。

レベルチェックテストがあって

俺はＣクラスで、一緒に練習してきた

蓮くんはAクラス。

夕方終わった練習からぶっ通しで

やってきた自主練習。

もう日付も変わるし風呂に入ろう思って

歩いて戻っていた矢先。

祥生「？？Aちゃんやん」

ｶﾁｬ

Aちゃんは今回のオーディション

唯一の女の子で年齢も俺より3歳も歳下。

だけどレベルチェックテストでは

男の中に混じっても変に浮かない

綺麗な低音がかっこよくて

Aクラスなんかなって思ってたんやけど

彼女いわくダンスの経験は全くないらしく

歌も未経験らしい。

そんな子がこの時間まで1人で練習？

開けたドアの奥には腰を下ろして下を向く

Aちゃんの姿があった。

祥生「なぁ……」

俺の声は誰にも聞こえない程小さかった。

Aちゃんが泣いていたのをみつけて

どうしていいかわからんかったし

声なんか出なかった。

とりあえず……

祥生『どうしたん？？聞くで』

ぱっと顔をあげたAは遠くで見るより

ずっと綺麗で幼くて

咄嗟に大事にしなきゃって思った。

Aちゃんは大きく目を見開いた。

『お、大平さん！！？』

祥生「え？知ってくれてたん！？」

『そりゃ知ってますよ！！あんなにダンスも上手で…！忘れるわけないじゃないですか！！』

祥生「ありがとう嬉しいわ笑」

まだ赤い目を輝かせて話してくれる。

祥生「こんな時間まで1人やったん？」

『はい！何もかも経験ないし後もう2日？ですっけ？完成する気がしないですもん練習しなきゃ』

よく見るとAちゃんの着ているTシャツは

だいぶぐっしょり濡れていて

鏡の前には鮮やかなオレンジ色の

Tシャツがびちょびちょになって

ほおり投げ出されていた。

祥生「Tシャツそんななるまでやって…
体調崩したら元も子もないで」

『大丈夫です！！風邪ひいたことないんですから！』

祥生「そんなん言って～

泣いとったやん。」

Aちゃんは言葉に詰まった様子で

『…バレちゃいました？笑』

祥生「バレバレやって話してみなさい」

『大平さんには見透かされちゃうか～笑』

そういってヘラヘラしていたAちゃんは

急に真剣な顔つきになった。