27.何故かは彼らのみぞ知る ページ27
[私とお兄ちゃんはね。血の繋がった兄妹ではないの]
『…何故、お前達は兄妹となったのだ』
[私の本当の両親がろくでもなくてさ。ご飯なんて全然くれないくせに、いっちょ前に躾だとか言いながら殴るような連中で。公園のトンネルの中で泣いてたときに、お兄ちゃんが助けてくれたんだ]
『………』
[私は運が良かった。お兄ちゃんのお父さんもお母さんも良い人で、お兄ちゃんにお願いされたからって私の為に動いてくれたの。色々あって養子縁組をして、私とお兄ちゃんは戸籍上の兄妹になった。]
『……だからその男は、お前の中で神格化されているのか』
[あはは。神格化って言っちゃうとちょっと仰々しいけど…でも確かに、大して変わらないかもね。]
『…お前は、どうしたい。義理の兄を諦められるか?』
[……諦める諦められないって話で言うなら、私はもう諦めているのかもしれない。あの人は私をそんなふうに見ていないから。それでも私はあの人が好きなの。ギリギリまで一緒に居たい、離れるとしても会える距離に居たい]
『……執着しているのか。その男に』
[…綺麗な感情じゃない自覚はあるよ。愛してるから幸せになってほしいのに、それでも私も満たされたいんだ]
『…お前の言う綺麗な感情とは何だ?自己犠牲か?その器にいる自己を優先することに何の罪がある?』
[…なれるものなら馬鹿になりたかった。ただひたすらにお兄ちゃんの幸せの為に尽力出来る馬鹿に]
『…ならば私は、その為に協力してやろう』
[、…協力?]
『その男の幸せの為に尽力出来る、そんな馬鹿になる為に。私に与えられた永き時間をお前に分け与えてやろう』
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赤(プロフ) - えいえんにこうしんまってます (8月24日 17時) (レス) id: 1060c20e47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユア | 作成日時:2021年3月10日 1時