やべえの連れてる一般人。 (ページ25)

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25.これも所謂史実ってやつページ25

私は私が嫌いだった。

あまりにもちっぽけで、何も出来ない“私”。

だからそんな私に手を差し伸べてくれたお兄ちゃんが大好きで、べったりくっついて依存してた。

お兄ちゃんがひとり暮らしをするって決めて私がそれについていきたいって言い出すこと自体は、多分みんな予想していたんだと思う。

私がついてったら迷惑になるって言われて、そんなことないって否定できない自分が悔しくてしょうがなかった。

ぐちゃぐちゃになった感情を落ち着けたくて家を飛び出した。お兄ちゃんからケータイに連絡が入ったけど、頭を冷やしたいからもうしばらく外に居る、と伝えた。

昼間だったのが幸いだった。夜だったらきっとすぐに連れ戻されたから。

目的も何もなくぼんやりしながら道を歩いていて、頭の中ではどうしたらいいのかという悩みがぐるぐる渦巻いていて、諦めるしかないのかって泣きそうになった。

ミュウと出会ったのは、その瞬間だった。

あの子が何を考えて私の前に現れたのかは分からない、ただの気まぐれだったのかもしれない。

だけどその出会いは私にとって、紛れもない救いだった。

いきなり私の前に現れたと思えばずっと私の周りをくるくるついてきて、何がしたいのか分からなくて困惑したものだった。