やべえの連れてる一般人。 (ページ21)

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21.今までそれで幸せだったページ21

「……仕事してないって、でも…お前今まであの部屋でひとり暮らししてたじゃん。生活費だって…仕送り受けてないんだろ？」

「……私じゃなくて、ミュウがお金稼いでるの…私、ほんと出来れば人と関わりたくなくて…お兄ちゃんのお友達なら良い人だって分かるから平気だけど、そうじゃない人は怖いから…」

情けなさに泣きそうになりながら、お互いに座り直してお兄ちゃんの前で縮こまりながら説明する。

ミュウによしよしと頭を撫でられて、じわりと涙が込み上げて、勢い余って零れ落ちて、そうなったらもう耐えられなかった。

「でっ？！おっま、お前、そんな泣くなよ…怖がらせて悪かったって…」

お兄ちゃんに目元を拭われて、宥め賺すみたいに抱き寄せられる。ぽんぽん背中を叩かれて、頭を振りながらぐいとお兄ちゃんの胸倉を押す。

「お兄ちゃんの服濡れちゃうよお、」

「ほっときゃ乾くんだからいいんだって、大人しく抱っこされとけ」

「んぐうぅ、」

「こら暴れんな！もー！」

ぐいと腕を引っ張られて膝の上に乗せられ、ちょっと痛いくらいの力で抱き込まれる。

子供みたいにしゃくり上げながら、私はお兄ちゃんにしがみついて泣いた。

あーあ。ひとり暮らしでちょっとは大人になれたと思ってたのに。結局私は、何にも変わってないんだ。