14.これでも貴方の為でした ページ14
食べ歩きの日に力一さんと一緒に出掛けてから、私達はお互いに連絡を取り合うようになった。
あそこのお店が美味しそう、ここのお店が美味しかった、とまめに教えてくれる力一さんは、無邪気な少年のようで微笑ましくなってしまう。
「………」
…一方で、お兄ちゃんのご機嫌は斜めだ。ミュウツーとミュウと家でのんびりしてたところに乗り込んできた。
私の家に来ても何にもないから面白くないと思うんだけど…私を自分の家に呼ぶ口実もなかったってところだろうか。そっぽ向いてたって私の膝を枕にしていてはひたすらに可愛いだけだ。
ご機嫌斜めの心当たりはある。多分、私が力一さんの腕を引いてお兄ちゃん達と対面しないように横道に逸れたところを見られたんだろう。
「………」
「………」
なでなで、とお兄ちゃんの頭を撫でる。実のところお兄ちゃんがこうやって甘えてくることはさほど珍しくはない。…いや、私から10甘えてるとしたらお兄ちゃんはせいぜい2、3程度だから珍しいは珍しいか?
私の甘え率が高すぎるんだよな…鬱陶しがられないのが不思議なくらいだ。髪がサラサラで気持ち良い。お兄ちゃんの腕にミュウが乗っかってるのが可愛い。
「…A」
「なあに、お兄ちゃん」
ごろん、とお兄ちゃんが仰向けになって、私に手を伸ばして頬を撫でてくる。その手に甘えるように頬を擦り寄せれば、お兄ちゃんがじぃっと私を見つめた。
「なんで、俺のこと無視したの」
「無視したわけじゃないよ。気を遣ったの」
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赤(プロフ) - えいえんにこうしんまってます (8月24日 17時) (レス) id: 1060c20e47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユア | 作成日時:2021年3月10日 1時