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次の日、食べるものを買いに街に出た。
方向音痴だけど、物覚えはいい方なので、昨日教えてもらった店を回りながら、買い物をした。
すると、前に行列の出来たケーキ屋を発見した。
シュークリーム。時間もあるし買って帰ろうかな。
行列に並んでいるとあっという間に順番が来た。
「えーと、コレと、あとソレも」
気になったものをあまり考えずに買った。
会計をしていると、私の背後で
「あれ、シュークリームあらへんの！？」
と、次のお客さんが言った(叫んだ)。
「前のお客様で売り切れになってしまいまして」
あ、私が買い占めたからだ。
「そんな〜。シュークリーム食べたかってん…」
途端に、罪悪感に苛まれた。
ん〜。
会計を終えて店を出た後、後から出てきた、私の背後に並んでいた人達に声をかけた。
「あの」
「ん？」
優しそうな男の子が振り返る。
「もしよかったら、コレ」
袋の中からシュークリームを取り出す。
「いや、でもm「いいんですか！？」」
クールな雰囲気の男の子が断ろうとした所を、優しそうな男の子が遮った。
「あ、どうぞ。」
「やったー！！大吾！大吾！」
優しそうな男の子は先を歩いていた男の子を、呼び止めた。
「この子がシュークリームくれてん！」
大吾、と呼ばれた男の子が振り返る。
あ、あの人。
私を昨日案内してくれた子だった。
「紫耀、良かったね。」
「おん！平野嬉しい！」
紫耀、という男の子は嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねていた。
「あ、君は…」
私に気づいた大吾さん。
「昨日はありがとうございました。」
「ええねんって。なぁ、お茶してかへん？」
「え？」
お茶？
「シュークリーム。みんなで食べた方が美味しいで？」
特に予定もなかったので、ご一緒させてもらうことにした。
公園に向かうまでの道を話しながら歩いた。
「僕は大吾。西畑大吾。で、前でシュークリーム持ってはしゃいでんのが、平野紫耀。その隣にいるのが永瀬廉。」
「私は、暮羽Aです。」
「A。いい名やね。」
いきなり名前を呼ばれたのでドキッとした。
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作者名：魅杏 | 作成日時：2015年6月9日 19時
