10 ページ10
.
「……な……ばな!…っおい!橘!」
『…へっ!あっすみません!なんですか!』
「何ぼーっとしてるん。ほらこれ、12番テーブル持っていって。」
『あぁすみません!了解です。』
キッチンの藤井先輩に急かされ、急いでできた料理を持っていった。
戻ると暇になったのか、ホールに顔を出してきた先輩に、
「珍しいな。悩み事でもあるん。」
と突っ込まれた。
まさかさっきの出来事が頭から離れなくてぼーっとしてたなんて言えず、
『すみません、何でもないです。』
と返した。
「ふーん。なんや、恋でもしたかと思った。顔ゆるんでたし。」
『え、本当ですか?』
「いや、嘘やけど。」
『なんですか、もう。ほら店長に怒られるから戻ってください!』
へーい、と言いながらキッチンの奥に戻った藤井先輩は、私より2つ年上の大学四年生。
あっ、浪人してるらしいから3つ年上か。
就活も終わり暇なのか、私が入る時は大抵いつもいる。
日本人とは思えないほどの顔の濃さ、そして世間的にいうイケメン。
キッチン担当なのにお客さんの中でファンがいるとの噂もある。
そんな見た目に反し、喋るとほわほわしててものすごく天然。
年上ながらちょっと可愛いななんて思ったりして。
(でも藤井先輩、変なところで鋭いんだよなぁ。
恋とかいうから焦っちゃった。
…ほんとに顔ゆるんでたわけじゃないよね?)
集中集中っ!これから忙しくなるんだからっ。
299人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冬華 | 作成日時:2019年8月14日 1時