.ホットカフェラテ.(黄) (ページ9)

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そろそろ居酒屋のバイト向かう時間になり、

丁度良いところで勉強を切り上げた。

「350円になります。いつもありがとうございます。」

レジでお会計を済ましている時、気になったので聞いてみた。

『あの、中間さんいつも何か描いてるようにみえるんですけど、何描いてるんですか？』

「えっ？あぁ、あれね。秘密。」

『え～また秘密ですかぁ？私中間さんのこと全然知らないや。」

「全然知らんほうが、なんかミステリアスでええやろ？」

『もしかしてわざとミステリアスな雰囲気醸し出してたんですか？』

あ、バレた？といたずらっぽく犬歯を出して笑う中間さんが意外すぎて、思わずこちらも吹き出してしまった。

「まぁまた今度、時間ある時に教えてあげてるから。もうバイトやろ？」

『あっ本当だ、もうこんな時間か！ご馳走さまでした。』

カランコロンとドアを開けて外に出たら、

「あ、Aちゃん待って！はいこれ。」

ぽんっと手に渡されたのは、使い捨てのカイロだった。

「最近寒くなってきたから。じゃあ、気をつけてな。」

『わわっありがとうございます。また来ます！』

突然渡されたから何かと思った。

手の中でじんわりとカイロが暖かくなってきて、

にひっと笑ったあの中間さんの顔を思い出しては、心臓がばくばくする。

(手、ちょっと握られたし。あれ反則だ。)

カイロも熱いけど、握られたところも熱い。

外が暗くてよかった。多分、今私の顔真っ赤だ。