.ホットカフェラテ.(黄) (ページ4)

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「…もう本当にびっくりしたわ。

やっと顔あげたと思ったら、Aちゃん泣いてるんやもん。」

そう笑いながら話すのは、ここの喫茶店を一人で切り盛りしている中間淳太さん。

『あの時は本当すみませんでした…。』

ー

実はあれから、一粒溢れた涙は止まらなくなってしまい、中間さんを非常に困らせてしまった。

「…泣きたい時は泣けばええんです。好きなだけここにいてくれて構わないんで。

僕あっちいるんで、なにかあったら呼んでください。」

そう言って、慰めるわけでもなく、

かといって突き放すわけでもなく、

丁度良い距離感で接してくれた。

ひとしきり泣いた後、
すっかり冷めてますます苦く感じるカフェラテを飲んで、

おそらく外国産のであろう、甘いチョコレートを食べた。

なんだか急に恥ずかしくなって、お金を出して逃げるようにお店を出てしまったんだっけな…。

「この世の終わりみたいな顔して店入ってきたから何かあったんやろなーとは思ってたけどな。

まぁええわ、こうやってAちゃんが常連さんになってくれたわけやし。」

『はは…本当にお恥ずかしい。』

でも、その後で結局、

あの時飲んだ苦いカフェラテと、

やけに甘いチョコレートの味が忘れられなくて、

私はこのカフェに通い始めた。