.ホットカフェラテ.(黄) (ページ22)

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【J side】

「クっクリスマスですか？！」

突然なんて質問をするんや、照史。

「そう、きっと今時の大学生は甘くてさぞ充実した日を過ごすんやろうな…って。」

『こら照史、Aちゃんにあたるなや』

「あぁ…実は私数ヶ月前に彼氏とわかれまして…

お金ないし、多分今年はバイト三昧ですよ笑」

「ええっ！そうだったん？！

何も知らずに勝手なこと言ってもうた！ごめん！」

『実はこいつ、少し前彼女と別れたんよ。

だから今ちょっと荒れてんねん。』

痩せないと別れる、と脅す彼女についに耐えられなくなったらしい。

「俺はな、やっぱ食べることが1番やねん。

あの瞬間が1番幸せで、譲ることはできん！」

だから自分から言ってやったんや。
クリスマス前やったけどな！

と言う照史をAちゃんが慰めてる。

強がってんのばれてんで、照史…。

「中間さんは、どこか行ったりするんですか？」

遠慮がちに彼女が聞いてきた。

「きっとさぞ美人な彼女さんを連れて豪華なディナーに…」

『いやいやそんなんおらへんって！

今年はこいつも慰めてやらなあかんし笑

このカフェも営業する予定やよ。』

「そうそう！だって淳太くん、

Aちゃんのために新しいデザート作る予定やもんな？」

ニヤニヤしながら得意げに照史が言う。

『ばっ、お前言うなや！』

「…デザート？私のために、ですか？」

『いや、Aちゃんいつもカフェラテしか頼まんやろ？

うち一応ケーキとかちょっとした軽食も出してるんやけどね。

クリスマスにちなんだスイーツ期間限定で出したら、食べてくれるかなって思ってな。』

(なんかすごい言い訳っぽくなってへんか？これ)

『もしかして、甘いの嫌いとか…』

「っっぜんぜん！大好きです！食べたいです是非！」

食い気味で反応してきた彼女にちょっとびっくりしてしまったけど、

いつも大人っぽいあの子の表情が一気に輝いた感じがして、

可愛いな、と思ってしまった自分がいた。