糸が結びつくその日まで。〜spring〜

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深澤side



下校時間になり、校舎に誰も残っていないか



巡回をしていたときのことだった。



3年生の教室の前を通って、奥にある



古典史料室付近に行けば、うっすら見える人影。



ああ、確か舘さん使ってるとか言ってたっけ？



近づいていくと見える影は2つ。どうやら



誰かと話しているようだった。



はっきりはわからないけど、一緒にいるのは



体育祭で脚光を浴びていた愛崎さんだと思われる。



そういえば、4組学級委員長とか言ってたっけな。



何か相談事でもしてるのかと思えば、



舘さんの手が愛崎さんの手にスッと伸びてきて



そのまま撫でた。



おいおい、まじ…？これって先生と生徒の



禁断の恋ってやつ？もしや付き合ってるのか？



なんて思ってたら愛崎さんが頭を下げて



こっちに歩いてくるもんだから慌てて



身を隠す。



愛崎さんが帰っていくのを舘さんはずっと



微笑ましく見守ってるし。これって確定だよな？



これは照に報告しないとだな…。

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