糸が結びつくその日まで。～spring～ (ページ20)

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宮舘side

本当は古典の小テストの補修なんてやるつもりはなかった。

Aと2人きりになれる空間が欲しくて、

彼女だけを補修にあてた。

一生懸命な顔で古典の教科書を見つめる姿は

なんとも愛おしい。普段真面目で割となんでも

できちゃう子だからそのギャップというか…

少し難しい顔をしているのが可愛かった。

舘「よし、じゃあもう一回テストね。」

そう言って同じ問題を解かせることに。

彼女が走らせるペンから生まれる字は

いつ見ても本当に綺麗。

貴「…よし、できました…」

舘「じゃあ、採点するよ。」

たった1時間ちょっと、教え込んだことが

彼女の頭にはしっかり入ったようだ。文句なしの満点。

ただ、俺が採点している間、じっとこっちを見てくる。

舘「なあに？そんなに俺の顔見て。

顔に何かついてる？」

貴「あ、いや、何もついてないです…」

顔真っ赤にして、目、そらしちゃって。

本当に可愛いんだよな…。

満点の回答を返すと、彼女の表情がパッと

明るくなった。

貴「先生が教える古典はわかりやすくて、毎回

授業が楽しみです。」

なんて言ってくれるもんだからまた教えたくなる。

頑張ったご褒美に中間テストのヒントを

耳元で囁いたら、これまた顔を真っ赤にした。

舘「ふふ、顔真っ赤。」

貴「だって…されたことないですし…//」

本当にウブだなぁ。愛おしいよ。

俺は生徒にイケナイ感情を持ち始めているのかもしない。

でも、そうさせてるのは、キミなんだよ。