糸が結びつくその日まで。～spring～ (ページ19)

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放課後＠古典史料室

舘「じゃあ、基礎からやろうかな。」

放課後、昨日言われた通り、古典の補修中。

貴「んー、…」

舘「まず、この単語を覚えるところから

始めようか。じゃないと、読解は無理があるかな。」

貴「わかりました…」

単語の意味や文章構成、古典の基礎中の基礎を

宮舘先生にきっちり教えてもらい、補修の終わり側、

再び、基礎のテストを受ける。

舘「お、スラスラ書けてるじゃん。」

貴「…よし、できました。」

舘「じゃあ、採点するよ。」

渡したテストを受け取り、赤ペンで丸を

つけていく宮舘先生。

西日が先生を照らし、神々しく見える先生。

ただ採点してるだけなのに、なんだか見とれてしまう。

舘「なあに？そんなにこっち見て。

俺の顔、何かついてる？」

貴「あ、いや、何もついてないです…」

舘「それならいいけど。はい、どうぞ。」

宮舘先生から返された小テストには合格の文字が。

舘「全問正解。今日覚えたこと、忘れないでね？」

貴「はい！ありがとうございます！

先生が教える古典はわかりやすくて、毎回

授業が楽しみです。」

舘「それは嬉しいな。あ、そうだ。

じゃあAだけに特別に教えてあげる」

貴「えっ、なんですか？」

席を立ち上がり、私の真横に立った先生。

舘「今日やったとこ、テストに出すから

ちゃんと勉強してきてね。」

なんて耳元で囁やくから、体が疼いてしまう。

舘「ふふ。顔真っ赤。」

貴「だって…されたことないですし…//」

舘「ウブで可愛いじゃん。」

貴「恥ずかしい…//」

舘「さ、暗くなる前に帰ろう。」

貴「はい、先生。ありがとうございました。」

舘「中間テスト、しっかり点取ってね？」

貴「はい！」

こうして私の古典補修は無事に終了。

宮舘先生のためにもしっかり点数取らなきゃ。

心はテストモードに切り替えて、なんとも思ってない

はずなのに、さっき囁かれた甘い声が

私の脳内を支配していく。

ダメダメ、相手は先生。惚れたりなんか…

絶対ダメ。