糸が結びつくその日まで。～spring～ (ページ30)

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宮舘side

放課後。Aを見送ったあと、

今後の授業のこと、教え子たちの

進路希望をある程度まとめたあと、

帰ろうとしたときだった。

“コンコン”

舘「はい？」

照「舘さん、入るよ？」

そこにやってきたのは、同じクラスの

副担任の照だった。

舘「なんだ、照か。おつかれ。」

照「おつかれさん。

舘さん、ちょっと話したいことが

あるんだけどいい？」

舘「うん。どうした？」

照が話したかったこと、

それはAに対することだった。

照「生徒と先生って関係忘れてない？

ふっかが頭撫でてるとこ見たっていうから。」

舘「それも交流の一つだよ。」

照「でも、愛崎にしかしてないだろ？

最近、下の名前で呼んでるし。」

舘「下の名前で呼んでるのはみんな共通だよ。

大事な教え子たちだし。何？まさかそれをわざわざ？」

照「一応生徒指導員やってる以上は

注意させてもらうよ。学校だってこと

忘れないで。このことが校長まで

いけば、愛崎だけじゃなくて舘さんまで

仕事を辞めなきゃいけなくなる。

自分が1番わかってるんじゃないの？」

わかってる。でも、それ以上に

今はAのことが愛しくて仕方がない。

照「人を好きになることは悪いことじゃない。

でも、ルールを破るのはダメだろ？

せめて人が見えないところにしときな。」

舘「…その言葉、信じていいの？」

照「毎日愛崎のこと話してるから、

本気なんだろうなって思ってるからな。

愛崎も舘さんのことよく話すし。

相思相愛なら叶えて欲しいじゃん。

でも、変にバレて虚しく終わるってこと

だけはしてほしくないから見えないとこに

しときなって思ってるだけ。」

舘「照…。ありがとうな。」

照「本気ならちゃんと愛崎の卒業の日まで

待ってあげな。それでこそ男だよ。」

そう言って出て行った照。

もう周りから見ても俺がAのことが

好きだというのが一目瞭然になって

きてるレベルまでになっていた。

そうか…俺は

愛崎Aのことが本気で好きなんだな…。