幸福日和〜couple life 4th〜

No.36 ページ36

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貴「これって…」



亮平くんが美歌さんと選んでくれたもの、



それは、私が大好きな美○と野獣のデザインが



あしらわれたエンゲージリング、



いわゆる婚約指輪だった。



阿「エンゲージリングです。」



彼とお付き合いを始めて約５ヶ月。



まさかこんな展開になるなんて思ってもなかった。



阿「彼女じゃなくて、僕の妻になってくれるかな…？」



貴「はい…よろしくお願いいします…っ」



阿「よかった…っ、断られたらどうしようかと思ってた。」



貴「本当に私でいいの…？」



阿「A以外、俺のお嫁さんになれる人なんかいないよ。



関西から帰ったらプロポーズしようと思ってたんだ。



正直、今回の件で振られてしまうかもしれないって



思ってたけど、やっぱり俺にはAしかいない。」



貴「私も勘違いして避けるようなことしてごめんなさい…」



阿「ううん。誤解させた俺が悪いから。」



貴「お互い様だね。」



阿「うん。そうだね。



じゃあ、仲直りのチューしてもいい？」



なんて言うから、返事をする前に彼にキスをお見舞いする。



貴「おかえり、１ヶ月よく頑張りました。」



阿「はぁ…ずるすぎ。」



なんて抱きしめられて、１ヶ月という時間、



二人の間に大きくできた溝を埋めるために何度も何度も



口づけを交わした。



貴「あ、そうだ。」



阿「ん？何？」



貴「これ、渡せてなかったから。」



そう言ってさっき受け取ったものを彼に渡す。



阿「これって…」



貴「お誕生日、おめでとう。



今日、誕生日でしょ？」



阿「あ、すっかり忘れてた…」



貴「もうお祝いできないかと思ったよ。」



阿「ありがとう。開けてもいい？」



貴「うん。」



私が用意した彼へのプレゼント、それは



名前入りのネクタイとネクタイピン。



阿「こんないいものもらっていいの…？



高かったでしょ…？」



貴「値段じゃないから。私からの気持ち。」



阿「ありがとう。明日からこれつけるね。」



貴「うん。」



阿「ご飯食べよっか。」



貴「今日はごちそうにしてあげる。誕生日だし。」



阿「ほんっと大好き。これからもそばにいてね？」



貴「嫌って言っても離れないからね？」



阿「離すわけないから、ご心配なく。」



大好きな彼の誕生日に、大きな山を一つ超え、



私たちは人生を共に歩むことを約束しました。

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