９通りの恋の味 Ⅴ (ページ46)

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康「やっと俺の番や。長かったわぁ。」

貴「お待たせしました。」

康「いや、俺が火傷しちゃったから時期が延びてんな。あの時はほんまにありがとう。火傷の痕も残らずに済んだし。ほんま、Aちゃんのおかげやわ。」

貴「それはよかった。おばあちゃんから教えてもらった手当がここで役に立つなんて思わなかったけどね。」

康「Aちゃんの優しさはおばあちゃんから来てるんやろな。Aちゃんと接したお客さんはみんなええ顔して帰ってるもん。」

そういう風に言ってもらえるのは嬉しかった。おばあちゃんもいろんな人に公平に優しくて、おばあちゃんみたいな人になりたい、小さいながらに思っていた記憶がある。

貴「でも、みんなが優しいっていうのもあるよ。ここにきて毎日幸せだし。」

康「そっか。それは嬉しいわ。あ、もうすぐ着くで。」

康二くんが連れてきてくれたのは、広い大きな花公園だった。