９通りの恋の味 Ⅴ (ページ33)

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蓮side

最近、販売しているテイクアウト用のクッキーを焼き始め、数を出していくAちゃん。きっと、昨日頭いっぱいで忘れてたんだと思う。
でもそれと同時に、忘れてしまうほど俺らは考えさせてしまっているということ。これはさすがにまずいのでは？一旦、俺ら9人だけで話をしたほうがよさそうだな。

佐「買ってきたよー！」

深「ありがとう！休みなのにごめんね。」

阿「それにしてもどうしたの？材料は揃ってたはずだけど。」

貴「…私がデザートの仕込み忘れちゃって。」

佐「そんな日もあるよ。俺らも手伝おうか？」

貴「ううん。大丈夫、ありがとう。」

材料がそろってからのAちゃんの手裁きはとんでもなく早かった。

こんなに仕事ができるのに、恋愛になるとキョドっちゃうの可愛いよなぁ。
きっとこのギャップが俺らの気持ちを動かしているんだろう。本人は自覚していないこのありのままの姿、これからも大事にしてほしいな。