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A
不安気なメンバーにダンスの練習をしようと声をかけた
この状況を作ったこの天候のおかげで？
昼間というのに外は真っ暗で
大きな窓は鏡のようになり
絶望した私たちを映してた
芸能人ということもあり
一般客のいない私たちだけのラウンジを用意してくれた
ここでなら迷惑をかけず連絡出来るだろう
音源なら私のパソコンにもある
なんせ私がリミックスして今日のために
初お披露目の特別バージョンを作ったから
割と自信作だ
ま、それをMAMAで流すことが出来るのかは
もう神のみぞ知るってかんじ
音は微かに聞こえる程度でしか流せなかったが体を動かせば
さっきの重い空気とは一変して
メンバーのテンションも上がり
周りのスタッフの雰囲気も明らかに良くなった
目がキラキラと輝いてる
日々の忙しさ、疲労、で自分のことでいっぱいいっぱいになってて
スケージュールをロボットのようにこなすことしか頭になかった
大切なことを忘れてたんだ
まだ売れてない頃の夢を
みんなの気持ちがひとつになった気がした
無名の事務所から売れるんだと
私たちを信じてここまで育ててくれた
社長やスタッフに恩返しをするんだって
世界に私たちを見せつけたい
すごいんだぞっていうところを
まずは韓国へ行き、MAMAでのステージを成功させるんだ
周りのメンバーを見るとキラキラした瞳で
満面の笑みでお互いを見た
ああ、みんな同じ気持ちだなぁって
言わなくても分かった
色んな感情が渦巻く中
よくわからないけど
笑顔が、微笑みが止まらなかった
なんとなく
ただなんとなく上手く行く気がした
これから順調に進むような、
そうだ、
アジア最大級の音楽授賞式だ
そんなところに呼ばれる人は
間違いなく才能に溢れている
ダンスや歌、演出
様々な才能に触れ、
いい刺激をもらい
今後の活動に活かせるような
あーわくわくして来た
新しい出会いに、
そんな私たちの背中を押すように
光が差し込んだ
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作者名：むみょん | 作成日時：2019年8月6日 0時
