言ってなかっただけ JK [BTS] (ページ45)

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A

PDに歌ってくれと言われた時

この人頭でも打ったんじゃないかと

本気で心配になった

でもすぐに

さっきの話かと思い出して

主旨を理解した

全く知らない曲を歌えなんて

とてもじゃないけど無理

洋楽でいいのか、まだ希望はありそうだ

しぶしぶ頷いた

足早に部屋を出ていくPDの背中を見送り

うちのスタッフ達に

目で確認を取った

心配するどころか

自信ありげに行ってこいと言わんばかりに頷くので

通訳さんは本当にちゃんと正しく訳してくれたのか疑った

リアム｢作詞作曲家としては"無名"か、｣

とつぶくやくようにいい、

周りのスタッフが分からない

自分だけの冗談に

片方の口角を上げていたずらっぽく笑った

nameless(無名の、匿名の)を強調するように言った

彼にあきれた

うんざりと言う代わりに

目をぐるっと回した

絶対楽しんでる、こいつ←

あえて無視することにした

廊下に出てスタッフに着いていく

急に心配になってきた

人前で、しかも音楽関係者の前で

歌うことになるなんて

スタジオに着くと

コンピュータの前に群がる

若者と

余裕な表情で椅子に堂々と座る

プロデューサー達

正反対だ、

鼻を鳴らすように笑ってしまったのを

隠すように

スっと鼻で息を吸い誤魔化した

そんな中、

色んなアーティストや曲名が飛び交っている

相談しているらしい、

｢おい、ラブソングばっかいれんじゃねぇ、｣

｢いや、だってI need youとかI love youとか言われたいじゃないですか、｣

｢やー、それはスペイン語の曲だろー｣

｢女性の歌っている曲の方がいいんじゃないですか？｣

｢じゃあ、NO NAMEはどうなんだよー！｣

｢確かに性別分からないですけど、、、｣

｢PDがなんでもいいって言ってんだ、好きにしろ｣

ああ、どうしよう、これ、

ほんとに大丈夫、、、？

歌っていられるかな、？

今にも飛び出したくなった

ドア付近に立ち止まっている私に

PDがわざわざ

レコーディング室のドアを開けるから

入らざるを得ない

はぁ、

深い深いため息が漏れた

不安が私の心を蝕む

表情に出ていたのか

PDが優しく声をかけてくれた

でもリラックスなんてしてられない！！！

どうしよう

すがるようにリアムを見る

私の不安を理解したのか、

マイク越しに私を落ち着かせる

ふぅ、

まだ夢のことを覚えていたのね、

何も気にすることない

その言葉が私の背中を押した