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A
木陰で絵本を読む5歳くらいの私
もしかしたらもっと幼いかも、
水色のかわいらしいワンピースを着ている
髪の毛の色素は今よりも薄く若干ウェーブがかかってた
すっかり絵本に夢中の私
心地よい日の光がさす
1匹の真っ白なうさぎがぴょんぴょんと跳ねて
幼い私の前を通る
それに気が付いた私は
ヘーゼルの瞳をキラキラ輝かせた
さっきまで食い入るように見つめていた絵本はすでに投げ捨てられ、
顔だけでなく体全身でうさぎを目で追う
待って
目だけではあきたらず、
危なっかしく立ち上がりうさぎの後を追った
日に当たった私の髪の毛はキラキラと金色に輝いた
必死に
｢WAIT!RABBIT!｣(待って！うさぎさん！)
とたどたどしい発音で呼びかける
けど止まってくれるはずはなく
木や草の間をぬって奥へ奥へと進む
小さな私でも通るには難しい
ぐんぐん距離が離れていく
それでも諦めず着いていく
待って、、、
息はとっくに切れていて、苦しい
あ、もう見えなくなっちゃう、、、
ってところで
うさぎが振り返って
小さい私をくりくりの大きな瞳で見る
希望を感じた
あのふわふわな毛に触れるんじゃないかな
あと少しのところで
また奥へと行ってしまった
あとちょっとだったのに、、、
すると今度は穴へ入っていった
きっとここがおうちなんだ！！！
なんの躊躇もなくその穴へ思いっきり頭から突っ込んだ
宙に浮く感覚、
真っ逆さまに全身が急降下する
必死に抵抗するけど重力には逆らない、
その穴は外からは想像もできないほど
大きく
底なんて見えないくらい深い
うさぎの姿はなかった
ダメ
ノー
A｢ＮＯ！！！｣
飛び起きた
全身汗びっしょり
夢か、
さっきの恐怖で身震いする
よかった生きてる
速く強い心拍と息苦しいさで
生きてることを実感した
身体の強ばりをほぐす
寝たのに疲れた
疲労が押し寄せてきて
寝ようかと思ったが
無理だった
怖すぎて
また寝ることなんてできない
しばらくして
落ち着きを取り戻し
冷蔵庫に入ったミネラルウォーターを飲む
ふぅー
私の喉を潤し
目をシャキッとさせた
なんだったの、、、
脚がゼリー見たいにぐにゃぐにゃになって
立っていられない
ベッドの縁に座った
膝に肘を付き、頭を抱えるようにした
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作者名：むみょん | 作成日時：2019年8月6日 0時
