縁の始まり【Fischer's】 (ページ38)

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シルクside

ピンポーン

インターホンの音で目が覚める

「あぁー？・・・。マサイの部屋か・・・・。」

隣を見るとまだマサイは寝ている

(まだ朝だしな～、今誰かきたよな？)

起き上がってインターホンを見る

隣に住むAがいた

(昨日、家にカンタが泊まったんじゃねぇのか？)

一瞬躊躇したけど通話ボタンを押す

「おはよう」

「えっと？シルク？」

「あぁ、そうだけど、どうかした？」

意図せず低くなった声にAがビックリしたようだ

「あっ、あの、マサイと約束したんだけど、マサイいないかな？」

いつもと変わらない様子で違和感を感じた

「今行くからちょっと待って」

と言ってテーブルに置いてあったマサイの部屋の鍵を持つ

ガチャっ

ドアを開けると昨日のドレスとは違いシンプルな白いワンピースを着たAがいた

「あの、マサイは？」

「まだ寝てんだよな、ちょっと俺と話さないか？」

と言ってAを階の俺の部屋に不思議そうな顔をしているまま連れてきた

「入って」

「うん...おじゃまします」

リビングに入って、座布団の上に座らせる

「シルクの部屋初めて入った」

「あぁ、そうだっけ？」

と言いながら話し出すタイミングを見て切り出す

「お前、カンタと付き合ってるのか？」

「えっ？、なんで？えっ？だれが？えっ？カンタと？？なんで？？」

驚きのあまり言葉につまる

「昨日のパーティーもカンタと来てたし、夜二人がマンションに入るのを俺とマサイは見てたんだ」

Aはイイヤツだ

でもマサイが傷つくのは見たくない、ハッキリさせないといけない

決意を固める

「どうなんだ？」

「えっと、まず結論から言うとね、カンタとはもちろん付き合ってないよ」

・・・・。

「ほんとうか！？」

「うん、それに昨日のパーティーはカンタに先に誘われてて、マサイに予定聞かれた時もパーティーだとは思わなくてそれで断って今日映画行こうって話してたんだけど・・・・。」

・・・・・。

「昨日はカンタの後輩の佐々木くんがマンションまで送ってくれて、そのお礼にご飯食べていってもらったの、その時にカンタとコンビニに買出しに行ったけど・・・。」

おれはなにか間違えてないか？

と、自問自答する

「Aはマサイのことどう思ってるんだ？」

と単刀直入に聞くと

顔を赤くして目を伏せた

「えっ、それはその・・・・」

俺は盛大に勘違いしている。と確信した。