157story ページ12
風丸side
大谷先生「で、この問題は昨日教えた公式を当てはめて…」
いつもより頭が動かない。
脳が正常に働いていないような感じがした。
数学担当の大谷先生の話も耳には通るが
脳には伝えられず、
反対の耳から抜けていくように聞き流してしまう。
半田「………。」
木野「………。」
半田や木野だけじゃない。
他の生徒もいつも通りに過ごしているつもりでも
俺は何かぎこちなさを感じた。
いつもはうるさいくらいの数学の授業。
今は、
先生の声と
黒板にチョークを擦り付ける音、
そして教科書をめくる音と
シャーペンを動かすときにおきる摩擦音しか聞こえてこない。
…まぁ
あの状況を目にして平気でいられる奴もそういないからな。
＿＿＿仕方ないのかもしれない。
円堂「………。」
あの場所に立ち会わせてなかった円堂にも事情を説明した。
いつも通り、遅刻で登校してきたから。
すると、当然のように円堂の表情が強ばった。
『何があったんだよ』
『どうして毎回Aなんだよ』
俺の胸ぐらを掴んでその一点張りだった。
円堂は珍しく涙を流した。
周りにいた生徒達は驚きを隠せなかった。
いつも強気で前向きなことしか考えない円堂が泣いた、と。
そして彼等はこう悟ったと信じたい。
“Aという存在がそれ程大きなものだった”と。
キーンコーンカーンコーン
あれこれ考えているうちにチャイムがなる。
大谷先生が宿題の内容を伝え、鬼道に号令を求める。
鬼道「……起立、令。」
学級委員の鬼道の声もやはり弱々しかった。
生徒等「……終わり、ます。」
今での彼等の反応を見て、
二つAに伝えたいことができた。
一つは先程の悟っていると信じたかった内容。
＿＿＿もう一つは
『お前はもう一人じゃない。
Aを支えてくれる仲間がこんなにも居る。
大切に思ってくれてる人がこんなにも居るんだ。
＿＿昔と今は違う。
過去の経験と今の自分を重ね合わせずに
“今”を懸命に生きろ。
だから…
無事でこの教室に戻ってこい。』
と。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みーさささ(プロフ) - 白銀さん» おー！ルナちゃん！久しぶり〜っ！ありがとね！うちも名前変わったから把握よろしくっ( ´ ▽ ` )ﾉ頑張るよ〜っ (2016年4月9日 18時) (
レス) id: 920442d868 (このIDを非表示/違反報告)
白銀(プロフ) - みーさ久しぶり！えっと名前変わっちゃったから分かりにくいけど歯車姫ルナだよ！最新話読ませてもらいました！やっぱり凄いね！これからも頑張ってね！ (2016年4月9日 17時) (レス) id: ee1d9cebf1 (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - ☆りんご☆さん» ありがとうございます(._.)何だかそのお言葉を頂けてこちらまでうるっときてしまいます…。今、受験シーズンであまり更新できませんが頑張りますね！完結までどうぞよろしくお願いします！ (2016年2月5日 19時) (レス) id: 4729ac16f0 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - すごくいい話ですね！何度も泣いてしまいました。読んでいくうちに勉強になることも多くて、すごくいい作品だと思います！頑張ってください！！ (2016年2月5日 12時) (レス) id: 7d6ffb99d4 (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - 春風 月さん» ありがとっ(°▽°) (2015年11月21日 22時) (レス) id: 4729ac16f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みーさささ | 作成日時：2015年11月15日 17時
