【HQ!!】ねぇ、先輩。【黒尾鉄郎】-完- (ページ25)

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黒尾「俺、A送ってからまた戻ってくるから練習やっててくれ」

海「Aなにがあったんだ」

黒尾「帰ってから説明するわ。リエーフ変な事言うんじゃねぇぞ！」

灰羽「今回ばっかりは大丈夫です言いません！！」

そう言って俺は体育館を出た。

『すみません』

黒尾「いいよ全然」

Aの首筋には赤い跡がチラチラ見えていた。

黒尾「明日の部活も無理しなくていいからな」

『いや行きます大丈夫です』

黒尾「そうかよ、まぁ今日はゆっくり休め」

『はい、ありがとうございます』

あーあ、

こんなに体触られて、

本当無事で良かった。

無事じゃねぇか、

でも本番が始まってしまう前にリエーフが見つけてくれて良かった。

『あの、黒尾先輩…』

顔を少し赤くして俺の名前を呼ぶA。

黒尾「どうした」

そしてAは衝撃の言葉を発する。

・

『キス、してくれませんか？』

・

黒尾「え？」

状況も意図も読めない。

『あ、いやすみません、何でもないです…』

何でもないわけがない。

黒尾「なんで、キス？」

俺はそう聞き返した。

『…あの男の人たちに、されたんです』

悔しそうに言ったAは、

きっとすげぇ嫌だったんだと思う。

まぁ誰でも嫌だろうけどよ。

『だから…

＿＿＿消毒…っていうか…///』

Aの顔は真っ赤だった。

黒尾「…消毒、俺でいいのかよ」

俺がいい、なんて言って欲しかった。

『なんで、気付いてるのにそういう事言うんですか』

俯いたAの顔は見えなかった。

Aのことを好きだって、

気付いてることに気付かれているのは分かってた。

だけどこんな状況で言われてももう逃げられない。

『黒尾先輩がいいから、言ってるんです』

そうハッキリと言ったAに、

俺は心を決めた。

黒尾「とりあえず早く帰るぞ、話はそれからだ」

Aは、少し嬉しそうに俺の手を握り返した。

＊