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#3 ページ3







始まりは1年生の1番最初。





『大阪から来ました、遊馬Aです。えーっと、出身中学は大阪やから知らへんと思います、よろしくお願いします!』





関西弁混じりのぎこちない標準語だった。





俺の前の席で、自己紹介を終えた彼女は安心したように席に戻る。





及川「及川徹です!北川第一中学から来ました!よろしくお願いします!」





精一杯の笑顔を振り向けば、





「及川くんカッコよくない?」



「うん、めっちゃカッコイイよね」





ほら。





いつだって女の子は俺の味方をしてくれる。





俺はバレーをしたくて青城に来たわけで、




別に彼女が欲しくて青城に来たわけじゃない。






なのに、





ひとつ前の席に座る彼女には惹かれるものがあった。






及川「遊馬さん…って関西人だったんだね」



『せやで、関西生まれ関西育ち!』





素直で真っ直ぐで、これっぽっちも “下心” を持たない笑顔だった。





及川「よろしくね、これから」



『こちらこそ!』



及川「俺のことは徹でいいよ」



『うちのこともAでええよ』





なんて在り来りな会話を交し、俺たちはだんだん仲良くなっていった。





それから2ヶ月も経たなかったと思う。





及川「Aってさ、何か部活入ってるの?」



『入ってへん』



及川「バレー部のマネージャー、やらない?」



『え?マネージャー?』



及川「そう、今居ないんだよね。」



『さよか、楽しそうやな、やりたい!』





後から岩ちゃんに聞かれた。





「なんであの時、Aをマネージャーに選んだんだよ?」って。





「部活入ってなかったから。」なんて答えた。





岩ちゃんにさえも、この下心を隠して。





岩ちゃんも「そーかよ。」って一言零して、それほど気にしている様子でも無かった。





人の前では俺は、





下心をこっそり胸の内にしまった。





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mi…(プロフ) - おかかのおにぎりさん» ありがとうございます!!好きと言ってもらえると嬉しいです!!新作もお楽しみにしててください!! (2020年4月20日 18時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - 黒崎零菜さん» ありがとうございます!!好きと言ってもらえると嬉しいです!!新作もお楽しみにしててください!! (2020年4月20日 18時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎零菜(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです。この作品は個人的に好きでした!新作楽しみにしています (2020年4月20日 18時) (レス) id: 943180d6d6 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - おかかのおにぎりさん» ありがとうございます!!!!頑張ります!!!! (2020年4月19日 18時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした〜!!一途な及川さん素敵でした!次作も頑張ってくださいね! (2020年4月19日 17時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mi… | 作者ホームページ:I don't have.  
作成日時:2020年3月29日 2時

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