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はち ページ9

『…そういえば宝石、オレンジピールは?』





確か私の首元にあったはず、





「ああ、そちらは私の目当てのものじゃなかったので後ほどお返しします。」





『…そう。』





目当て、ねえ。





やっぱり、キッドは宝石なら何でもいいわけじゃないのか。





前々から気になってはいたけど目当てのものがあるとは…。





「…どうかされましたか?」





急に黙り込んだ私を不審に思ったのか、キッドが言う。





『…なんでもない。』





この際だから聞いてしまおうか。





…いや、それは野暮というものだ。





キッドだって隠したいことの一つや二つあるだろう。





……泥棒なんだし一つや二つじゃ済まなくね?





「…おっと!」





急にハンググライダーが一回転する。





『えっちょ、なに!?』





「申し訳ありません、小さな探偵に狙われまして…。」





見ると、元の建物の近くにいた。





その屋上を見てみるとサッカーボールを蹴ろうとしている新一が。





おいおいちょっと待てよ、落ちたらどうすんだよ。





キッドだけじゃなく私まで死ぬぞ。




すると、キッドがトランプ銃で取り出した。




『えっちょっと、』





「ご安心ください、怪我はさせませんよ。」





そう言い、キッドはサッカーボールを撃った。





新一が怯んだ隙に、キッドは私を屋上へ下ろす。





「A!!っおい、キッド!!」





『待って、新一。』




私は、またサッカーボールを蹴ろうとしている新一を制し、キッドへ近づく。





『……宝石、返してくれる?』




「ええ、どうぞ。これは貴方の方がお似合いだ。」




キザな台詞を吐きながら私の首にオレンジピールを着けるキッド。





……よくそんな恥ずかしいこと言えるなこいつ。





『それと、本当に落とすつもり?』





「ええ、もちろん。いつか落としてみせます。」




キッドは私の手の甲に口付けた。





『……あっそ。頑張ってね、楽しみにしてる。』





ニヤリと笑ってキッドを見ると、キッドもニヤリと笑って私を見た。





「では、失礼します。じゃーな、めーたんてー。」





「っおい待てキッド!!」





新一の蹴ったサッカーボールをするりと躱し、キッドは飛び立った。





「…A、どういうことだ。」





『簡単に言えば、あいつに惚れられたんだよ。』





「……はあ?」





ああ。





あいつはどうやって私を落としてくれるのだろう。

きゅう→←なな



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なっちー(プロフ) - あさん» 頑張って下さい!応援してます! (2020年4月25日 16時) (レス) id: 93f1e472f5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - なっちーさん» ありがとうございます( ; ; )完結まで頑張ります! (2020年4月25日 16時) (レス) id: c8889330e2 (このIDを非表示/違反報告)
なっちー(プロフ) - この話し面白いです!夢主ちゃんとコナンくんの会話が面白くて笑いがw 更新頑張ってください! (2020年4月25日 13時) (レス) id: 93f1e472f5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ケイト・アーレントさん» ようやく出来ましたありがとうございます!! (2020年4月23日 13時) (レス) id: c8889330e2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - シーナさん» 返信遅くなりすみません!!ありがとうございます! (2020年4月23日 13時) (レス) id: c8889330e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:6530 | 作成日時:2019年5月12日 20時

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