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じゅうに ページ13

『……ん………』





重たい瞼を擦る。





起き上がり、見るとソファで寝ていたようだった。





『…毛布?』





辺りを見渡し、何があったか思い出そうとする。





目に入ったのは机の上の一枚の紙。





『……お大事に、抱えているものは少ない方が良いですよ…?怪盗キッド…。』





…ああ、思い出した。





気持ち悪い野郎につけられて、キッドが助けてくれたのだった。





『ん?まだ何か書いてある。』




紙の裏を見るとP.S.の文字。




『……あの野郎…次来たらぶっ飛ばす。』




書いてあったのは。




『…何が可愛らしい下着ですね、だよ……!』





どうやらあいつは紳士なんかではなく、ど変態らしい。





________





翌日。





「こんばんは。」





『なんでだよ。』





なんでお前がここにいるんだよ。





「また来ると言ったはずですが…?」





『いやどう見たって私寝てたろ。』





んなこと言われた記憶はない。





よってこいつが言っているのは私が寝ている時の話だろう。





それより、私は言わなければならないことがある。





『…昨日は、』





一気に重苦しい雰囲気へと変わる。





「……はい。」





『昨日は、ありがとうね。助かった。』




ああ、言えた。噛まなくてよかった。




「……ええ、それはいいんですが、」




何だか言いたいことがありそうなキッド。




『なあに。』




私は問う。言ってもらわなきゃ分からない。





「…何を、何を抱えているんですか、貴方は。」





そんな泣きそうな顔で聞かれても。





『……別に何も。』





こう答えるしかないのだ。





『ごめんね、ありがとう。』




そう伝える。




「っなんで、」





まだ何か言いたげなキッドだが、それを遮り私は話し始める。





『そんなことよりさあ、あんた私の下着見たんだって?』





「…ええまあ。」




『まあじゃねえよぶっ飛ばすぞお前。』




そう、これでいい。




私と彼は、ただの一般人と怪盗なのだから。




わたしが抱えているものなんて。




私の過去なんて。




彼に話したら、それはきっと重すぎるだろう。




……でも。





いつか。





いつか、話せる人が現れてはくれないだろうか。





私一人で抱えるのには少し。




疲れてしまった。

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なっちー(プロフ) - あさん» 頑張って下さい!応援してます! (2020年4月25日 16時) (レス) id: 93f1e472f5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - なっちーさん» ありがとうございます( ; ; )完結まで頑張ります! (2020年4月25日 16時) (レス) id: c8889330e2 (このIDを非表示/違反報告)
なっちー(プロフ) - この話し面白いです!夢主ちゃんとコナンくんの会話が面白くて笑いがw 更新頑張ってください! (2020年4月25日 13時) (レス) id: 93f1e472f5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ケイト・アーレントさん» ようやく出来ましたありがとうございます!! (2020年4月23日 13時) (レス) id: c8889330e2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - シーナさん» 返信遅くなりすみません!!ありがとうございます! (2020年4月23日 13時) (レス) id: c8889330e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:6530 | 作成日時:2019年5月12日 20時

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