君のせいだ ページ45
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深澤「え？何かあったの？」
楽屋に入って真っ先に近寄ってきたのはふっかさんだった。
心配そうに顔を覗き込んでくれる。
私は何があったのか話そうとするも同じ空間にめめがいるので躊躇する。
めめはラウールと端っこで話している。
深澤「めめに何か言われた？」
A「ううん。私が勝手に、」
佐久間「はいはい！その話終わり！もう本番始まるから移動するよ！」
さっくんに優しく肩を抱かれそのまま移動する。
佐久間「ほらぁ、今日せっかくAちゃんの好きなThis is LOVEなんだし、笑顔じゃなきゃ勿体ないでしょ〜！」
A「そうだよね。」
さっくんの笑顔を見て本当にそう思った。
私が暗くなってたらせっかくの歌が台無し。
ファンの子も楽しみにしてるんだから暗くなってる場合じゃない。
A「さっくんありがとう。さっくんはアイドルの鑑だよ。」
佐久間「んあ〜！佐久間さんもやる気出てきたよ！！」
流れで二人でハイタッチをする。
プライベートの心配は全部置いてステージに立った。
目黒「A。」
A「え？」
目黒「ごめん。」
隣に立つめめが謝ってくれた気がしたが音とともにかき消された。
本番の今、聞き返すこともできないので歌に集中した。
歌いながら階段を下りる。
大丈夫、大丈夫。
そう暗示をかけ笑顔で歌う。
やばい！
大サビ前、階段を下りる瞬間に足がもたつれた。
目黒「A！」
なんとかバランスを保ち転ぶことはなかったが、左手の先にはめめの手があった。
めめの目は真っ直ぐ私を捉えていて「大丈夫。」と言っているようだった。
そのまま手を引かれ、まるでお姫様のようにエスコートをされながら階段を下りきった。
大サビに入り歌い出すが、めめは手を離さずそのまま歌い続けた。
「もう何もかもが君のせいだ」
そこまで歌いきって周りの視線に気づく。
私は慌てて手を離し自分の立ち位置に戻った。
めめは何事もなかったように歌い続けている。
何が起こったのかわからず内心パニックになってる間に曲が終わる。
最後の最後、めめがイタズラっ子のように笑ってこっちを見てきて顔が赤くなった気がした。
岩本「ねぇ、なんかサビのとこでお客さんざわついてたけどなんかあった？」
佐久間「蓮！！」
目黒「ん？」
渡辺「目黒がやった！！こいつAの手繋いでた！！」
岩本「はぁ！？」
向井「何してるん！？ってAちゃんは！？」
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作者名：迷子のフクロウ | 作成日時：2022年12月17日 20時
