ホテル（1） ページ34
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今日もライブを無事終え楽屋でみんな賑わっている。
一通り楽しんだ後は全員で近くのホテルへと移動。
康二に「集まれる人で俺の部屋で打ち上げしよう〜！」って誘われたので一旦荷物を置いて部屋を出た。
部屋を出てすぐに携帯を忘れたことに気付いた。
戻ろうとして鍵を探すも見当たらない。
A「やっちゃった？」
マネージャーさんから「オートロックだから部屋の鍵はしっかり持ち歩いてね。」と言われていたのに。
あと「もし部屋から追い出されたら私に連絡してください。フロントには勝手に行かないように。」とも言われていた。
…マネージャーさん、鍵もなければスマホもないです。
いつもだったらメンバー横並びで部屋を取っているのだが今回はどうやら違うらしい。
同じ階にはいるのだがマネージャーさん含めどこに誰がいるのかわからない。
A「あ。」
そう言えばホテルに戻る時、自分の部屋に行く途中で舘様と翔太がそれぞれの部屋に入って行くのを見た。
確かどっちかがこの部屋だったはず！
私は部屋の前に立ちピンポンを押す。
どうか当たってて。そう心の中で願いながら待っていると部屋の扉が開いた。
岩本「え？どうしたの？」
中から出て来たのはまさかの照。
しかもシャワーを浴びた後なのか上半身裸。
A「あ、えっと、部屋に鍵もスマホも忘れちゃって。マネージャーさんと連絡取りたいんだ。」
岩本「あー、そういう事ね。入って。」
笑いながら部屋に招き入れてくれる照の後についていく。
照は早速マネージャーさんに事情を説明してくれている。
椅子に腰かけ静かにしていると照以外の荷物が目に入った。
岩本「フロントで鍵貰ってからこっち来るって。」
A「照、ありがとね。ね、それって翔太の荷物？」
岩本「ん？そうだけど。相部屋だからね。」
A「あ、そっか。」
だから翔太の部屋だと思っていた部屋に照がいたんだ。納得。
岩本「翔太は康二の部屋行ったよ。」
A「照は行かないの？」
岩本「俺は明日の確認したいからいいや。」
A「そっか。大変だね。」
岩本「そうでもないよ。Aはどこ行こうとしてたの？」
A「私も康二の部屋だよ。」
岩本「は？」
自分の荷物を整理していた照が勢いよく振り返った。
さっきまでの和やかな空気が一変、重い空気へと変わる。
え…私変なこと言ったかな？
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作者名：迷子のフクロウ | 作成日時：2022年12月17日 20時
